第124話 魔人は目覚めるようです
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つの魂を持っては消え去ろうぞ!!」
魂とは、謂わば"存在"と言う蓋をされた容器に満ちる水だ。それも、1を僅かでも超えれば
破裂する入れ物に。その大きさは存在まちまちで、主神は桁違いだろうが、ノワールだって
人間や神と比べても比較にならない程だろう。それもまた、障害だった。
"俺"という入れ物では用が足りず、"ノワール"という存在では主神に勝てない。
だから、やることはひとつ。
「俺という入れ物を広げただけだ。」
「―――所謂、賢者や老龍の存在は確かにそうだ。しかしそれでは―――いや、そうか。」
魂が磨かれれば入れ物が大きくなる。その分魂も成長していく。
その繰り返しで高位の存在となっていくのだ。
「―――それと契約した者は同等の"格"を持つ、そうしたのは我だったが。
創造者であろうが幾億年経とうと到達しえぬ魂に至ったのは……。」
そして、ただ一つの例外。"主神が与えた契約の魔法"・・・いや、『創造』の力だ。
契約時にノワールから半分与えられる魂と神力に見合う"格"を持つ入れ物、と深く考えては
いなかったのだろう。
結果として、俺の肉体を創り変えた際に魂の入れ物まで見合う大きさに創り変えられた。
が、魂だけは変化・変質が禁じられていた為に効果が及ばなかった。・・・のだろう。
ここで矛盾が生じた。
「本来1:1である入れ物と魂の大きさに差が生じた。当然だ、今の今まで人間だったのと
最高の魂を足して2で割ったんだ。」
「―――故に貴様は、己だけ時間を操作した空間に座し、二人分の魂が入りきるまでに
入れ物を成長させた。」
「ああ、ギリギリだったよ。入れ物の用意も……俺とノワールの魂が溶け合うのも。」
明確な効果としていなくとも、主神の『創造』さえもし得なかった魂の融合。
・・・全ては時間だった。
互いが互いの魂を同量ずつ持っていたからこそ、同じ"者"とする為に魂は馴染み合い。
主神に届くであろう魂に成長するにも、最後に成し得る対策を創るのにも。
「俺は全ての世界から理不尽な悲しみを消し去る。その為には???お前が邪魔だ。」
「???我が創ったのだ、放って見るだけの何が悪い?」
「ああ、お前とは相容れない。だから……『創造』をやめよう。」
「???ハ。」
唯一自分に届き得る力を捨てる俺を鼻で笑う。・・・やめると言ってもその延長なのだが。
ノワールと俺の魂を一つにしても、純粋な創造の勝負では未だ到達しえない。
だから、『創造』をやめるのではなく???上を行く。
「『――流入』!」
『創造(Briah)』と来れば『流出(A
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