暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と牛女
第二幕その十二

[8]前話 [2]次話
「どんなことをしても延々と攻撃してくる人もね」
「いるよね」
「やっぱり」
「そんなとんでもない人も」
「世の中にはいるね」
「こうした人に徹底的に攻撃されてからじゃ遅いから」
 まさに後悔先に立たずというのです。
「本当に気をつけないとね」
「そうだね」
「差別はしてからじゃ遅い」
「噂に騙されてからじゃ遅い」
「そういうことね」
「そうだよ」
 こう皆にお話しました。
「実際後世まで批判されるしね」
「そうだよね」
「差別した人はね」
「歴史的にも言われるよね」
「それもずっと」
「アメリカで日系人の人達は大戦中に収容所に入れられたけれど」
 先生はこのお話もしました。
「この人達を収容所に送ってずっとカルフォルニアに帰さないって言ったカルフォルニアの知事だった人は今も批判されているよ」
「そのことをだよね」
「随分とんでもない言葉言い続けてきたんだよね」
「根拠のないことまで」
「そうしていたのよね」
「戦争中で色々あったにしても」
 それでもというのです。
「今も言われているよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「この人は後にアメリカの最高裁判所の長官になって」
 そうしてというのです。
「アフリカ系の人達の権利獲得に貢献したんだ」
「そうそう、後でね」
「そうしたこともしたんだよね」
「キング牧師やマルコムエックスが凄い活躍したけれど」
「この人も貢献したんだよね」
「法律の専門家の立場から」
「確かに酷い人種差別政策を行ったけれど」
 カルフォルニアの知事だった時にです。
「けれどね」
「後でだね」
「多くの人の権利を守ってだね」
「その拡大に貢献したのね」
「十万の日系人の人権を冒涜して迫害したけれど」 
 それでもというのです。
「その後で二千万のアフリカ系の人達の未来を切り開いてね」
「今のアメリカの人権も確立した」
「そうした人だったんだよね」
「その人は」
「こうした人もいるよ、けれど差別をしたことは事実で」
 それでというのです。
「今も批判されているしね」
「差別はしないことね」
「最初から」
「それが第一だね」
「僕はそう考えているよ」
 こう言ってです、先生は皆とさらにお話をしました。そうして六甲に行って牛女に会うことも考えるのでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ