知られざる真実を知る
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るも、真夜様は固まり続けている。
『蒼汰さん。なにを仰っていますの。私に子供なんて――・・・』
「父さんが全て話してくれました。俺と姉さんが異母姉弟であることも」
言い逃れさせない。逃げることは許さん感じで俺は言う。
言質を取った感じで言ってくる俺。まるで、悪役だな。
一方、真夜様は
『零士さん。どうして話すのですか・・・』
苛まれている。
「なんで話したんだ」って感じで――。
「父さんの口から聞いても、まだ受け入れられない。母さんも「本当にこれでいいのか」って葛藤しているのなら、正直に話したらどうですか?」
俺はそう言うも真夜様は口を開けずにいる。
彼女の脳裏になにが過ぎっているのか分からない。
だけど、俺のことを本当に大事に思っているのなら、非情になりきれない。
人間とはそういう生き物だ。
『本当に私が貴方のお母さんでいいのでしょうか?』
「いいも悪いも関係ありません。真夜様が俺のことを本当にどう思っているかです」
俺もこんな時になに言っているんだろうと思う。
もしかして、俺って優しい方なのか?
だけど、先の俺の言葉がきっかけになったのか。真夜様の目尻から涙の滴が零れた。彼女は目尻の涙を拭ってから
『ええ、そうよ。蒼汰さんは私と零士さんの間に生まれた子供です』
「やはり、父さんが言っていたことには本当だったんですね」
『ええ、覚えていないでしょうけど、生まれた貴方を抱いたのは私。貴方の成長を近くで見ていたのは私だったのよ』
「えっ? そうなんですか?」
意外な事実。
『貴方の修練は四葉と氷川共同で行われた。もちろん、達也さんと深雪さん、玲奈さんの修練も同じです』
「確かにそうでしたね。修練において、両家の監視下のもとで鍛えられていました」
『それには、零士さんの配慮がありました。成長する貴方を私の目が見届けるために・・・・・・』
「知らなかった。ちなみに四葉側は俺が母さんの子供なのは知っているんですか?」
『いいえ。知りませんよ。ですが、栄作伯父様、姉さんだけには見抜かれました。いくら隠しても顔に出てしまうのですね。昔、言われたのです、「私が蒼汰さんに見る目は母親の目だと」・・・・・・』
「親を経験している人だからこそ、気づけるポイントだったのかもしれませんね」
『そうですね。ですが、分家の人たちには知られておりませんし。氷川家との関係も話しておりません』
「当然でしょう。四葉家と第四研をあの土地に設置することを決めたのは俺たち氷川家なんですから。盟約に関しても四葉家と氷川家の書物に書き記し、口伝で継承するのが慣わし。しかも、その慣わしは両家の直系のみに開示されている」
この慣わしは四葉と氷川の間に交された盟約。当時の四葉と氷川の当主が盟約を交わし、互いに遵守する
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