入学式編
入学式
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辞となれば、仕方ないな。
多少、寝惚けて聞くことにした。
「新入生総代、司波深雪」
司会者が告げると、舞台袖から深雪が姿を現した。
俺は遠くから見ている。
相変わらず、こういった雰囲気に慣れているのか? いや、慣れているように見えているだけか。
それにしても、空気が変わっているな。
空気に当てられて、ほのかが頬をほんのり朱に染めているよ。
愛桜は
(凄いわね。空気が変わっている。これだと、周りがお構いなしに媚を売ってくるでしょうね。蒼汰は大丈夫かな? まあ、玲奈さんがなんとかしてくれるでしょうね)
愛桜の奴。俺に目線を向けてくる。
俺も愛桜が思っていることは分かっている。
分かっているからこそ、思わず、息を吐いてしまう。
なお、答辞の内容を聞いている寝ぼけが一気に吹っ飛んだ。
深雪!? なんて、際疾いフレーズを言うな。下手したら・・・
タラタラと汗を流している。
何故なら、新入生全員からの反発を喰らう。
そんな感じで入学式を終えた。
――――――――――――――――――――――
入学式を終えた後、俺たちはID交付所に行き、IDカードを貰い、自分のクラスを知る。
どうやら、俺はA組のようだな。
愛桜やほのか、雫は知らないけど――。
「やったね、雫。同じクラスだよ」
「うん」
「私もA組だね。蒼汰は?」
愛桜もA組。
どうやら、同じのようだな。
「俺もA組だ」
俺は自分のクラスが何処なのかを告げる。
俺が告げたことにほのかが
「本当ですか!?」
驚いたように聞き返してくる。
「ああ」
俺は正直に答えた。
ここで嘘をつく理由もないからな。
ほのかは雫と手を取り合って、喜び合っている。
雫も雫で表情が和らいだ。
と、そこに
「蒼汰くん」
何やら、凍てつく視線と凍えるような笑みを浮かべている深雪がいる。
わかりやすく言おう、目が笑っていない笑顔だ。
凍てつく視線に俺はガタガタと震え出す。
俺は震えながら、振り返れば、案の定、深雪がいて、目が笑っていなかった。
「蒼汰くん?」
「はい」
背筋が凍りつく呟きに俺は思わず、背筋を伸ばしてしまう。
深雪の言葉ってこんなに冷たかったっけ?
「そこにいる彼女たちと逢い引きですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
これには、思わず無言になる。
深雪よ。ストレスでも溜まっているのか?
とりあえず、俺はハアと息を吐き、深雪の髪に触れながら
「そんなわけないだろう。彼女たちは偶然、入学式で知り合っただけだ。それに俺が深雪以外に逢い引きなんてする必要がないだろう」
髪に触れ、撫で、優しげに言う。
優しげに言ったせいか知らないが、深雪の顔いや頬が若干赤
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