生徒会との接触(前編)
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まり好きじゃない。
それに僕には自由に出来る時間がもう限られているから。学生が終わったら家を継ぐために色々と学ばなきゃならなくなる。そしたら自分の時間なんて無いも同然だ。
「君を説得するのはとても難しいからな。今回のところは諦める事にするよ」
「そうしてくれると助かります」
まあ、これで諦めてくれるなら僕はここまで渡辺先輩に苦労する事はなかっただろう。
その後は少しだけ話をして別れた。
教室に着くと僕は迷わず自分の席に向かうと.....何故か僕の席に誰かが腰を下ろしていた。誰だろうと見てみるとそこに居たのは....あずさだった。
見た目は小動物と思われても仕方ないかもなと思うぐらい年の割に成長がなされていない。こんな事を本人の目の前で言ったら怒ってしまうだろうから言うことはないけど。
僕は少し近付いて行くとあずさもどうやら気付いたようで急いで僕の席から離れた。
「すみませんでした!」
「いや、全然大丈夫だよ」
あずさは何故か今だに僕に萎縮しているようだった。もう一年という長い月日が過ぎたのに………僕はそんなに怖がらせるような事をした覚えはないんだけど。
僕は何でだろうと考えながら自分の席に付いた。するとほぼそれと同時に先生が入って来てHRが始まった。
授業を受けながら昨日の夕歌さんとの電話を思い出していた。夕歌さんは体が不自由で外に出ることをあまりしてこなかった僕のために誘ってくれたんだろう。
その気持ちは嬉しいけど夕歌さんは僕と一緒に居すぎる気がする。夕歌さんと出掛けるのは嬉しかったりするけど夕歌さんには夕歌さんの時間がある。僕なんかのために時間をさいている時間なんて本当はないと思う。夕歌さんは津久葉家の次期当主になることは目に見えている。
そうなると当主になるために色々としなくてはならない事があったりする。なのに夕歌さんは僕のために時間をさいてしまっている。いつも断ろうと思ってはいるけど折角、夕歌さんから誘ってもらっているんだからと思って断る事が出来ない。
だけどそろそろ本当に断った方が良いのかも.....。
そんな事を頭で考えているといつの間にか授業は終わっていて休み時間に入っていた。
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