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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第53話:顔合わせ
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奏」
「こいつで痛い目に遭った事、忘れちゃいないからね」
「ふ〜ん…………でもなぁ、詰めが甘いんだよなぁ」
「へ?」

 颯人の言葉に奏は不穏な何かを感じた。この時点で颯人は何かを仕掛けている。

 それが何であるか? 真っ先に気付いたのは奏ではなく傍から彼女を見ている響だった。

「わっ!? 奏さん、手がッ!?」
「手?」

 響が何の事を言っているのか一瞬分からなかった奏だが、直ぐにそれが颯人から引っ手繰った偽物の手である事に気付きそちらに目を向けた。

 奏の手の中にある偽物の颯人の手…………それからは導火線が伸びており、しかも残りの長さは極僅かと言う状態だった。

「ゲッ!?」

 まずいと思った時にはもう手遅れだった。導火線の火が手の中に入ると、甲高い音を立てて切断面が破裂。紙吹雪と共に『大成功』と書かれた旗が飛び出て揺れていた。

 小さくとも目の前の起こった爆発に、寿命が縮む思いをして胸に手を当てる奏。颯人はそんな奏を見てケラケラと笑い転げていた。

「て、テメェッ!? 透に何てことしようとしてんだ!?」

 黙っていないのはクリスだ。特に何か被害が出るようなものでは無かったとは言え、悪戯を仕掛けられた事自体が黙っていられることではなかった。

「次透にふざけた事したらただじゃおかないからな、このペテン師!!」
「待って、ペテン師は止めて。殴っても良いけどペテン師だけは止めて頂戴」
「そうだな、ペテン師じゃないな。こいつは…………ただの悪戯野郎だッ!?」

 クリスのペテン師発言に流石に黙っていられなかったのか必死になる颯人だったが、落ち着きを取り戻した奏がそんな彼の背後から掴み掛ると彼の首に腕を回して絞め上げた。

「ぐぇあ!? か、奏ちょっとタンマ!? これマジで苦しい!?」
「安心しろ、加減はしてるから。クリスやっちまえ!」
「おっしゃぁ!!」

 奏が押え付けて身動きが取れない颯人の腹に、クリスが容赦なく拳を叩き付ける。透と響は止めるべきではと慌てたが、翼と弦十郎はたまにはいい薬だと放置を決定。折檻される颯人を黙って見ていた。
 結局颯人が解放されたのは、いい加減見かねた透と響が強引にクリスを止めてからの事であった。




***




 一頻り騒いだところで、弦十郎が奏達を宥め真面目な話に移行した。一番の本題は、クリスの証言により確実となったフィーネの正体である。

「そんな……フィーネと言う女の正体が櫻井女史!?」
「それ、マジなのか旦那?」
「残念だがマジだ。綿密な調査の結果、了子君の行動には幾つか不審なところがあった。それらとクリス君の証言から、フィーネの正体が了子君であると明らかになった」

 フィーネの正体……それは
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