暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第53話:顔合わせ
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も先に警戒心を抱かせてしまう。
 透はそれを是正しようとしているのだ。

 それを理解したクリスは、激しく目を泳がせた。透の言いたい事は分かる。響達と仲良くすべきと言うのは、分かって入るのだがどうしても心が一歩踏み出す事を躊躇してしまうのだ。
 透が信じるからと弦十郎について行くことを決めたクリスだったが、響達は明確に敵対していた相手だったのでどうにも納まりが悪かった。

 暫しバツが悪そうと言うか、気恥ずかしそうにしていたクリスだったが再び透の顔を見て、彼の微笑みを見ると意を決したように響の目を真っ直ぐ見て口を開く。

「透がお前らを信じるって言うから、あたしもお前らと一緒に戦ってやる。あのオッサンにも言ったが、透に感謝するんだな!」

 精一杯理性を導入して仲間に加わる事を告げるクリスだったが、その言葉は何とも上から目線で恩着せがましいものとなってしまった。彼女の様子に弦十郎は内心で『本当に捻てるな』と呆れていた。
 しかしそんな強がりも響には通用しなかった。

「うん! 透君ありがとう! クリスちゃん、これからよろしくね!」
「だぁぁぁッ!? 振り回すな!?」

 満面の笑みでクリスの手をぶんぶん振る響。
 予想外の響の対応に、クリスは本気で響を引き剥がそうとするが喜びに突き動かされた彼女はちょっとやそっとの事では離れない。寧ろ感極まって再びクリスに抱き着く始末だ。

 クリスにとてもフレンドリーに接してくれる響に、透は自分以外にクリスに親しくしてくれる者が出来た事に喜び2人の様子を微笑ましく見ていた。

「透、笑ってないで助けてくれ! お前らもこの馬鹿何とかしろぉっ!?」

 堪らず透のみならず、颯人達にも助けを求めるクリスだったが当然ながら誰も助けない。一見すると2人の少女がじゃれ合っているようにしか見えないのだ。透を含めた全員が2人の様子を暖かい目で見るだけであった。

「誰か助けろぉぉぉっ!!」

 しつこく抱き着いてくる響に、堪らずクリスは叫び声を上げるのだった。




***




 たっぷり一分響に抱き着かれた辺りで、流石にそろそろ精神的にしんどいだろうという事でクリスは救出された。奏と翼に宥められて響が離れ、解放されたクリスは精神的に疲労したのか椅子に座って俯いている。

 女性陣を他所に、颯人は自分とウィズ以外で初めての味方の魔法使いである透に話し掛けていた。何だかんだで、彼も気軽に話せる魔法使い仲間は欲しかったのだ。

「よっ! こうして話すのは初めてだったな? 明星 颯人だ、よろしくな」
〔よろしくお願いします〕

 敵対した事も忘れたかのように親しく接する颯人に、透もにこやかに笑みを浮かべながら筆談で挨拶を返す。
 メモ帳に丁寧に書かれ
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