暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-A侵撃のT.C.〜1st Wave〜
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「大丈夫かミヤビ?」
「は、はい。大丈夫ですルシル副隊長」
気遣ってくれたルシル副隊長にそう答え、私の後頭部を襲った2匹目の猫を視認します。2匹の猫は鼻を軽くくっ付けるという挨拶をしています。とても可愛らしい行動ですけどね。チラッと私たちを見と思えば「フッ」と鼻で笑ったように見えました。
「ねえ。今、あの猫たち笑わなかった?」
「私もそう思った」
「ものすごい馬鹿にされた気分。いや気の所為なんだろうけども」
ルミナ先輩、クラリス先輩、セレス先輩も同じように感じたみたいです。私たちの視線をいっぺんに受けても猫たちは動じることなく、それどころか立ち向かおうと体勢を低くしました。
「うぅ。まさか結界の魔力すらも吸収するなんて。今日の私、役立たず・・・」
「落ち込んでる暇はないよ、セラティナ! ほら来るよ!」
「もうー!!」
セラティナ先輩の結界魔術ですらも猫たちは吸収し、先ほどまで私たちが使っていたたも網や投げ網は鋭い牙や爪でズタズタにされ、バインド魔法はその機動力に追いつけず、最終的に素手での捕獲という選択になっていました。
「分かれた!」
「逃げちゃうよ!」
2匹の猫は左右に分かれると、撤退するつもりなのか猛ダッシュで私たちから離れて行きます。シャル隊長が「二手に分かれて!」と指示を出しました。先輩たちは言葉を交わさずに目線だけでパパッとチームを分けました。シャル隊長とセレス先輩とセラティナ先輩、ルシル副隊長とアイリ先輩とクラリス先輩とルミナ先輩の2チームです。
「ミヤビはこっち!」
「了解です!」
私はシャル隊長のチームとなり、隊長たちと一緒に駆け出します。首都ということもあって喧噪なこの街で、猫1匹の捕獲は困難極まりない。時間からして人の出歩きが多くなる今、人込みの中に紛れ込まれるより早く捕まえないと。
――閃駆――
――
神速獣歩
(
ゲパルド・ラファガ
)
――
――無常迅速――
――スピーディラン――
「セラティナ!」
「うんっ、付いて行ける!」
私、シャル隊長、セレス先輩と同じようにセラティナ先輩も、この数ヵ月で習得した高速移動魔法を使用しました。セラティナ先輩の弱点は以前から足の遅さと先輩方に言われていましたから、戦闘任務が落ち着いていた期間で習得したのです。
「よし! ファストラウム地上本部からは飛行許可が下りなかったから、このまま足で追い詰めるよ!」
飛行魔法は使用できないことでガードレールの上や建物の壁を走ったり、通行人の頭上をジャンプで飛び越えたりと、後でいろいろと怒られそうな手段で猫を追い駆け続けました。
「猫を捕まえるのがこんなに難しいなんて・・・」
「しかも人の出入りを制限した封
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