暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第96話『予選A』
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ないくらい。
だが競技と言うからには、迷宮の難易度は高いだろうし、ギミックなんかもきっと仕掛けられているはずだ。かなり手応えがありそうである。


『そしてお察しの通り、迷宮には罠が多く仕掛けられています。魔術の力を駆使して、それらを突破してください。ちなみに、』

「うん?」

『その逆で、近道に続く仕掛けもあります。しかし、これは魔術だけでの突破は難しく、参加者の知力も求められます』

「知力?」


罠があることは確認できたが、まさかその逆もあるとは。知力が求められるってことは、暗号とかクイズを解かないと、その近道は進めないってことか?

──なおさら好都合じゃないか。


『最後に、途中で他の参加者に会うかもしれませんが、妨害は厳禁です。正々堂々と競ってください』

「わかりました」

『それでは、直にかかるスタートの合図をお待ちください……』


ジョーカーの言葉に、伸太郎は薄笑いを浮かべながら頷く。

するとジョーカーは、説明は終わりだと言わんばかりに、またも煙に巻かれて姿を消した。


「くっくっく……」


1人になって、つい笑みを洩らしてしまった。
どうやら、勝利の女神とやらが微笑んでくれたらしい。迷路に加えて頭脳ゲーだなんて、まさしく伸太郎の得意分野ではないか。これは負けられない。


「ちょっと本気、出しちゃいますか」


いつもならめんどくさいと一蹴していたところだが、今回は終夜の代わりとして責任もある。加えて、競技内容も得意分野ときた。
ここで本気を出さずして、いつ出すというのだ。上位だなんて甘いことは言わない。本気を出すなら、取るのは1位のみだ。


『えー参加者全員のルール説明が完了しましたので、いよいよ迷宮(ラビリンス)開始です! よーいドン!』

「よし、いくぜ!」


どこからかそんなアナウンスが聞こえたのと同時に、伸太郎は洞窟の中へと駆け出したのだった。







『はいはい皆さんご注目。ただいまより、"競走(レース)のルール説明をしていきます!』

「お、始まった」


ここはスタート地点から少し離れた広場。集合場所として指定されていた場所だ。
晴登は運よく影丸に連れて来られ、何とか不戦敗という事態は避けられた。ちなみに、今はもう彼と別れて1人である。

そしてたった今、ジョーカーによるルール説明が始まろうとしていた。


『とはいえ、ルールはシンプル。用意したコース上を進んでもらい、その順位を争うだけです。もちろん魔術の使用も自由です。ただし、過度な妨害行為やコースアウトは失格の対象となるので、気をつけて下さいね』

「やっぱそんな感じか」

『なお、順位はお手元の
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