第96話『予選A』
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ないくらい。
だが競技と言うからには、迷宮の難易度は高いだろうし、ギミックなんかもきっと仕掛けられているはずだ。かなり手応えがありそうである。
『そしてお察しの通り、迷宮には罠が多く仕掛けられています。魔術の力を駆使して、それらを突破してください。ちなみに、』
「うん?」
『その逆で、近道に続く仕掛けもあります。しかし、これは魔術だけでの突破は難しく、参加者の知力も求められます』
「知力?」
罠があることは確認できたが、まさかその逆もあるとは。知力が求められるってことは、暗号とかクイズを解かないと、その近道は進めないってことか?
──なおさら好都合じゃないか。
『最後に、途中で他の参加者に会うかもしれませんが、妨害は厳禁です。正々堂々と競ってください』
「わかりました」
『それでは、直にかかるスタートの合図をお待ちください……』
ジョーカーの言葉に、伸太郎は薄笑いを浮かべながら頷く。
するとジョーカーは、説明は終わりだと言わんばかりに、またも煙に巻かれて姿を消した。
「くっくっく……」
1人になって、つい笑みを洩らしてしまった。
どうやら、勝利の女神とやらが微笑んでくれたらしい。迷路に加えて頭脳ゲーだなんて、まさしく伸太郎の得意分野ではないか。これは負けられない。
「ちょっと本気、出しちゃいますか」
いつもならめんどくさいと一蹴していたところだが、今回は終夜の代わりとして責任もある。加えて、競技内容も得意分野ときた。
ここで本気を出さずして、いつ出すというのだ。上位だなんて甘いことは言わない。本気を出すなら、取るのは1位のみだ。
『えー参加者全員のルール説明が完了しましたので、いよいよ迷宮開始です! よーいドン!』
「よし、いくぜ!」
どこからかそんなアナウンスが聞こえたのと同時に、伸太郎は洞窟の中へと駆け出したのだった。
*
『はいはい皆さんご注目。ただいまより、"競走のルール説明をしていきます!』
「お、始まった」
ここはスタート地点から少し離れた広場。集合場所として指定されていた場所だ。
晴登は運よく影丸に連れて来られ、何とか不戦敗という事態は避けられた。ちなみに、今はもう彼と別れて1人である。
そしてたった今、ジョーカーによるルール説明が始まろうとしていた。
『とはいえ、ルールはシンプル。用意したコース上を進んでもらい、その順位を争うだけです。もちろん魔術の使用も自由です。ただし、過度な妨害行為やコースアウトは失格の対象となるので、気をつけて下さいね』
「やっぱそんな感じか」
『なお、順位はお手元の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ