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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第96話『予選A』
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り建物があるのかと思ったけどな……」


辺りを見回してみても、この洞穴以外に目立った場所はない。
伸太郎は"迷宮(ラビリンス)"参加者宛にと配布された地図を見ながら、やっぱりここが指定された目的地だと確認する。


「中に入っていいのか……?」


伸太郎は再び辺りを見回す。
周りは木が鬱蒼と生えているだけで、人っ子1人見当たらない。本当にここが集合場所なら、もう少し人がいてもいいと思うのだが。


「皆 中にいるのかな……」


恐る恐る、伸太郎は洞窟へと近づいていく。
もし参加者が中に集まっているのだとしたら、ここで足踏みしていてはいけない。早く中に入らねば──


『はいストップ』

「うわぁお!?」


洞窟の中へ1歩を踏み出そうとしたその瞬間、真横から声をかけられた。
あまりに突然の出来事に、大声を上げて仰け反ってしまう。


「えっと、あんたはジョーカー……だったか?」

『いかにも、ジョーカーでございます』


ジョーカーは姿勢を正し、綺麗にお辞儀をする。あまりに洗練されたそれを見て、伸太郎もつい会釈を返してしまった。


『ここから先は競技会場なので、立ち入りはまだ許可されていません』

「な、なるほど。すんません……」


どうやら、中に入るのはダメだったらしい。入る前に声をかけられて助かった。

となると、この洞窟前が集合場所ということになるが……


「ほ、他の人はいないんすか……?」


伸太郎は最もな疑問をぶつける。ここが集合場所なら、誰か1人くらいいてもいいのではないか。
開会式が終わってから、予選のメンバー選出についてミーティングをしていた伸太郎が1番目に来たはずもないし、まさか自分1人だけ集合場所が違うなんてことは──


『はい、ここは"君の"集合場所ですから』

「なっ……!?」


驚くべき事実を知り、ハブられたショックで危うく膝をつきかけたが、ジョーカーがわざわざそう告げてきたことを鑑みると、少し違和感があった。


「"俺の"集合場所ってことは、他の人もそれぞれ別に集合場所があるんすか?」

『その通りでございます。それがこの"迷宮(ラビリンス)"。それでは、ルール説明を始めましょう』


そう言って、ジョーカーはコホンと咳払いをする。

なるほど、そういうことだったのか。
仮にこの競技が迷路のようなものだとしたら、参加者全員が同じ入口から始めるよりも、別々の入口から始める方が平等で面白いというもの。


『この競技は名前の通り、この洞窟の先に広がっている地下迷路を突破するものです。順位はゴールした順となります』


……うん、予想通りだ。予想通りすぎてつまら
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