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レーヴァティン
第百七十五話 冬が終わりその四

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「美味いもんもぜよ」
「食うべきか、ならだ」
 そう聞いてだ、英雄は述べた。
「早速食おう」
「そうするんじゃな」
「これからな」
「ではな」
 こうした話をしてだった、そのうえで。
 英雄は実際に自分が好きなものを食ってそちらで楽しみつつ時を過ごすことにした、それでまずはだった。
 厨房の者達にすき焼きを作らせた、それを仲間達と共に食べるが。
 その肉を食ってだ、彼は言った。
「美味い、やはりすき焼きはいい」
「英雄殿の好物でこざったな」 
 その言葉に智が応えて言ってきた。
「そうでござったな」
「そのうちの一つだ」
 実際にというのだ。
「他にも色々あるが」
「すき焼きもでござるな」
「好きだ、牛肉もいいが」
 すき焼きの主役であるこれだけでなくというのだ。
「葱や豆腐、糸蒟蒻もな」
「好きでござるか」
「麩も葱もな、あと茸もな」
「茸でござるか」
「今鍋には椎茸やしめじも入れているが」
 その茸達も見て語る。
「それもな」
「好きでござるか」
「元々茸は好きだしな」
 このこともあってというのだ。
「それでだ」
「すき焼きに入れてもでござるな」
「好きだ」
 実際にというのだ。
「それで酒もだ」
「飲むでござるな」
「そうしてだ」
「楽しむでござるな」
「こうしてな」
 実際に飲んで話した。
「飲む」
「そうでござるか」
「そして楽しむ、そういえばだ」
 英雄はこうも言った。
「再起すき焼きは食っていなかったな」
「お好きでも」
「そうだった、だがすき焼きは美味い」
 好物だけあってというのだ。
「食って実にな」
「満足でござるな」
「楽しい時間を過ごしている」
 現在進行形でというのだ。
「そしてこうしてだな」
「楽しい時間を過ごすこともしてござる」
「春を待つべきだな」
「当季殿の言われる通りに」
 まさにというのだ。
「そうすべきでござるよ」
「そうだな、では明日の夜は刺身を食おう」
 これもまた英雄の好物である。
「それも鯉のな」
「鯉でござるか」
「鯉も大好きだ」
 この魚もというのだ。
「刺身にし頭と骨はな」
「吸いものでござるな」
「それにもしてな」
 そしてというのだ。
「楽しもう」
「ああ、お魚の頭はっちゃな」
 愛実も言ってきた。
「捨てるのではなくっちゃな」
「それでだしを取ってだ」
「お吸いものにするっちゃな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
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