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ドリトル先生と牛女
第一幕その八

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「とにかくね」
「ああ、そのことだね」
「うん、やっぱり和牛は違うよ」
「そして神戸牛は」
「そう思うよ」
「今では日本でも牛肉は普通に食べられますけれど」
 トミーも言ってきました。
「それでもですね」
「多くは輸入肉だからね」
「アメリカやオーストラリアの」
「そうしたお肉もいいけれど」
「やっぱり和牛の方が美味しいですね」
「だから世界的に注目もされているんだ」
「そうですね」
 トミーは先生に頷いて応えました、お話をしつつすき焼きの中のお豆腐をはふはふとしながら食べています。
「今では」
「美味しいものは」
 本当にと言う先生でした。
「皆注目するよ」
「そうですよね」
「だから和牛もだよ」
「今では世界中で注目されていますね」
「そうなんだ」
 まさにというのです。
「和食全体がそうだけれどね」
「日本酒もそうですよね」
「このお酒もね」
 見れば先生はお酒も飲んでいます、そのお酒は日本酒です。
「そうだよ」
「そうですよね」
「美味しいから」
 飲みながら言うのでした、すき焼きを肴に。
「今ではね」
「世界的に注目されていますね」
「ワイスワインとか呼ばれてね」
「お米から造るからですね」
「そう、ライスワインだよ」
 そう呼ばれているというのです。
「これがね」
「そうですね」
「というかね」 
 ホワイティが言ってきました、動物の皆も先生達と一緒にすき焼きを食べて心から楽しんでいます。
「先生もだね」
「そうだね、もう何かと日本に馴染んで」
 トートーも言います。
「食べものもだから」
「髪の毛や目の色はどうでも」
 ポリネシアも言います。
「先生は日本人よ」
「国籍もそうなったし」
 ダブダブも言いました。
「完全にね」
「最近は日本語で考えているんだよね」
「そうよね」
 チープサイドはこのことをお話します。
「英語じゃなくて」
「そうなっているっていうし」
「もうそこまでいったら」
「日本人だね」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「着ている服も作務衣が多くなったし」
「座布団にも座るし」
「しかもお風呂大好きになったし」
 ガブガブは先生の趣味のお話もします、毎日入浴しているのです。
「それならだよ」
「もう先生はイギリス生まれでも」 
 チーチーも言うことでした。
「日本人になったよ」
「ここまで日本人になるなんてね」
 ジップの口調はしみじみとしたものでした。
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