第20話 ヴァルハラ星域会戦
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後、突出した本隊に砲火を集中しろ」
アハトアハトとスルクフの主砲が放たれ、ラインハルト艦隊の両翼が砕ける。
これによりラインハルト艦隊の両翼は突撃のタイミングを逃し、本隊だけが突出する形となった。
「敵の砲撃が集中してきます」
「く、いったん後退せよ……」
「敵に態勢を立て直させるな、ファイエル」
アドルフはこの機にラインハルトを撃ってしまうつもりだったが、ラインハルトは陣形を乱さず迅速に後退したため、それを果たすことはできなかった。
「ちっ、しぶとい。そろそろラインハルトの本隊にグスタフの主砲をくらわしてやれ!」
ドーラ級2番艦グスタフの主砲がラインハルト艦隊に狙いを付ける。
そして、グスタフの主砲が火を噴く――はずであったが……。
ドッカ〜ン
「あれ? 爆沈したぞグスタフ。それも内側から」
ドーラ級超砲艦2番艦のグスタフは、その主砲を一度も放つことなく、自爆によって宙《そら》に散った。
「くっそ〜、艦名をケンプと同じにしたのは失敗だったか? む〜……なら、数で押し潰すまでだ。全艦突撃!」
「ほう、そう来るか。護衛艦隊、防御を固めろ」
「下だ!」
この防御を破るのは容易でないと見たアドルフは、下から潜り込むことで旗艦ブリュンヒルトを狙う。
だが……
「俯角30°、2時方向に火線を集中させよ。敵の艦列に穴が空いたら、そこを圧迫して突き崩せ」
ラインハルトは一瞬の内に敵の艦列を維持するポイントを見抜き、そこに攻撃を集中させた。
「うっ、一時後退!」
堪らず、アドルフは後退を命じる。
「(あっ、危ね〜。そう言えば原作でもこんなシーンあったし! 確か回廊の戦いでだったか? つーか、あいつが高笑いしている光景がなんかムカツク)」
どうやら、大事なところでミスを犯してしまうのは転生しても変わらなかったようだ。
戦局は消耗戦となりつつあり、数で劣るラインハルト側に焦りが見え始めた……その時。
「後方より敵艦隊出現。 数、60000隻以上!」
「なんだと……!」
それは、ハプスブルク大公の私兵艦隊であった。
総司令官にトルガー・フォン・シドー大将を置き、艦隊司令官にアルフレッド・ガーシュイン中将、ヘルマン・フォン・オットー中将の2名を抜擢。
どちらも正規艦隊の司令艦隊に匹敵する実力者であり、艦隊の練度も正規艦隊に劣らない。
他に、フォーゲル、エルラッハ両中将の指揮する艦隊も交じっている。
フォーゲルとエルラッハは貴族連合軍に加わっていたものの、最終決戦時にこっそり麾下の艦隊を率いて逃亡、ハプスブルク星域へ逃れていた。
もちろん、これはアドルフの指示であり、数だけは無駄にある貴族連合軍の戦力を
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