第20話 ヴァルハラ星域会戦
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無いケーニヒス・ティーゲルがバルバロッサの目前まで迫る。
「全砲門斉射! あの艦をなんとしても止めるんだ!!」
幾本のビームがケーニヒス・ティーゲルを貫くが、全身から火を吹きながら、それでもケーニヒス・ティーゲルは止まらない!
ちょ、おま、待て!
直後、四方からビームが殺到し、ケーニヒス・ティーゲルが爆沈する。
あ、あぶね〜。
今のはホント危なかった。
「閣下、ご無事ですか?」
「バルトハウザー准将か、助かった」
だが、危機はまだ去って無い。
ビッテンの次はキルヒアイスか……。
これだからチートな連中を集めた軍を相手にするのは嫌なんだ。
「閣下、キルヒアイス艦隊が猛攻を仕掛けてきております。ビッテンフェルト艦隊にズタズタに切り裂かれている現状では防ぎきれませんぞ」
「ドイッチェラントとリュッツォーの主砲で砲撃して敵の勢いを削ぎ、その間に態勢を立て直す。そうすれば数で上回るこちらが有利だ」
このドイッチェラントとリュッツォーもアースグリム級の戦艦である。
正確に言うならば、ドイッチェラントとリュッツォーが3、4番艦。
アドミラル・シェーア、アドミラル・グラーフ・シュペーが5、6番艦となっている。
2番艦のアハトアハトと7番艦のスルクフはラインハルトの本隊にお見舞いしてやるために後方で待機中だ。
「主砲、発射!」
ドイッチェラントとリュッツォーより主砲が放たれる。
2本の光がキルヒアイス艦隊を切り裂いた。
* * *
キルヒアイス艦隊の勇戦も所詮は一時的なものでしかなく、アースグリム級の主砲によって勢いが止められると、次第に数の差で劣勢となっていった。
特に、ドイッチェラントとリュッツォーの砲撃は勢いを止めただけでなく一時的に混乱を来たさせ、キルヒアイスが混乱を鎮める前に圧倒的な砲火が前衛部隊に降り注ぐ。
その状態から態勢を立て直したのは、さすがにキルヒアイスと言えよう。
しかし、ハプスブルク艦隊は数の多さを笠に攻め立てる。
ハプスブルク艦隊の猛攻でキルヒアイス艦隊の艦列が僅かに乱れた、まさにその時――バルトハウザー准将率いる300隻程の小艦隊が高速で強襲し、旗艦テューリンゲンを撃沈。
ここに、ラインハルトと共に帝国の簒奪を誓った赤毛の提督はその短い生涯を終えたのであった。
「おのれぇ、よくもキルヒアイスを!」
怒りに燃えるラインハルトは麾下の艦隊を前進させ、ハプスブルク艦隊へ攻勢をかける。
本来なら、実力において圧倒的に勝るラインハルト艦隊が攻め勝ったことだろう。
が、アドルフにラインハルトと正面切って戦う気は無かった。
「アハトアハトとスルクフの主砲をラインハルト艦隊の両翼に打ち込め。その
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