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黄金バット 第三十五話 フー=マンチェー博士冬の北海道で
第二章
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「この程度の攻撃でどうにかなると思ったか」
「くっ、何て強さだ」
「羆も厄介だが博士もいるからな」
「余計に厄介だ」
「羆を何とかしないといけないのに」
「博士もいるからな」
「一体どうすればいいんだ」
 皆羆と博士を止められず困ってしまいました、そして遂に稚内市に羆も博士も到着しようとした時に。
 もう防衛大臣も覚悟を決めて麻酔なしで羆にも博士にもこれまでより遥かに大規模な攻撃を浴びせて退治しようとしましたが。
 ここで、でした。稚内の空にです。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「!?この笑い声は」
「まさか」
「まさかと思うが」
「黄金バットか!」
「黄金バットが来てくれたのか!」
 見ればです、稚内の一番高いビルの頂上にです。
 黄金バットがいました、黄金バットは黒マントをたなびかせ両手を腰にやって高笑いを立てています。その黄金バットがです。
 颯爽と空を飛び街に入ろうとした羆そして博士のところに来ました、博士は王本バットに対しても衝撃波を放ち妖術として暗雲を呼び寄せそこから激しい落雷も落としますが。
 黄金バットは衝撃波も落雷もかわしてです、そのうえで。
 牙を剥き出して自分に向かって来ようとする羆に対してステッキの先の宝玉を向けてそこから七色に輝く光の帯を放ってです。
 羆を撃ちました、すると羆は見る見るうちにです。
 羆は元の大きさに戻りました、そうしてでした。
 羆は我に返ったかの様になって何処かに去ってしまいました、博士はその羆を見て歯噛みして言いました。
「してやられたか、これでは仕方がない」
「・・・・・・・・・」
 今は何も話さない黄金バットを見据えています、ですが諦めた様な顔になってです。
「この借りは必ず返す」
「消えたぞ」
「何処かに行ったぞ」
 見ればです、博士は右手で自分の顔の前で印を結ぶとどろんと煙を出してその中に身体を包みました。そしてです。
 その煙が消えた時にはフー=マンチュー博士は姿を消していました、それを見て黄金バットも何処かへと飛んで行きました。
 羆も博士も黄金バットも姿を消した後稚内市は何もなかったの様に静かになっていました。皆その様子を見てです。
「終わったか」
「全ては平和に」
「今回も黄金バットに助けられた」
「本当によかった」
「全ては黄金バットのお陰だ」
 防衛大臣も言いました。
「本当に」
「全くです」
「今回も黄金バットが助けてくれました」
「そのことを讃えましょう」
「黄金バットが稚内の街も羆も助けたことを」
「是非そうしよう」
 こう言ってです、防衛大臣は公に黄金バットへの感謝の言葉を述べました。それは黄金バットにはどうでもいいうことだったかも知れませんが確かに彼に届けられました。

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