第一幕その六
[8]前話 [2]次話
「それこそね」
「普通に何百年だしね」
「死なないとか言うし」
「病気も何にもないとか」
「歌にもあるね」
「まあ実際は死んだり病気もあるけれど」
それでもというのです。
「やっぱりね」
「かなり長生きだね」
「それこそ僕達よりも遥かに」
「何百年と生きていくから」
「七十年位だと」
「まだ若い位だよ」
妖怪にとってみればです。
「お静さんもそうだね」
「そうそう、あの人だってね」
「百年か二百年だった?」
「かなり長生きしてるのよね」
「そうだったわね」
「猫が五十年生きたら猫又になるから」
だからだというのです。
「もうね」
「少なくとも五十年は生きてるのね」
「猫又になるまでそれだけかかるから」
「じゃあもう牛女さんより長生き?」
「絶対にそうだね」
「それは間違いないね、狐が千年生きたら九本尻尾になるし」
所謂九尾の狐です。
「僕達なんかとてもね」
「及ばないね」
「その長生きさは」
「それこそね」
「比べ様がないね」
「何かもう死んだのかもって言う人がいるけれど」
牛女はです。
「今も目撃例あるしね」
「それでだよね」
「今だってあるなら」
「牛女さん今も六甲にいるね」
「そうだね」
「絶対にそうだよ」
先生は動物の皆に笑顔で答えました。
「あの人もね」
「じゃあ六甲に行くとね」
「その時はよね」
「僕達も牛女さんにお会い出来る」
「そうなんだね」
「その可能性があるよ」
先生は皆に笑顔でお話しました、そうしてこの日も学問に励みました。そして夜は王子がお家に来てでした。
先生にすき焼きの食材を持って来ました、勿論お肉もです。そうして先生に対してこんなことを言いました。
「神戸牛だから」
「美味しいんだね」
「うん、凄くね」
こう言うのでした。
「だから皆で食べようね」
「それじゃあね」
「じゃあ今からすき焼き作りますね」
トミーも言ってきました。
「そうしますね」
「それではね」
「いや、和牛はね」
王子は笑顔で言いました。
「滅茶苦茶美味しいよね」
「そうだよね」
「お肉が霜降りになっていて」
「柔らかくてね」
「あの美味しさときたら」
それこそというのです。
「牛肉だけれどね」
「それでもだね」
「牛肉を超えた」
「そこまでのものがあるね」
「僕ははじめて食べて感激したから」
その和牛のお肉をです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ