第六十話 朝早くからその二十五
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「僕は」
「そうだったの」
「はい、どうも」
「私はそうは思わないけれど」
それでもとです、私は阿波野君に答えて言いました。
「それでも私でよかったら」
「先輩ならですか」
「何時でもお話して」
こう言ってきました。
「そうしてね」
「そうしていいですか」
「私はいいから」
「そうですか、悪いですね」
「悪くないわよ、というかそこでは遠慮するのね」
阿波野君のその態度にこう返しました。
「普段は馴れ馴れしいのに」
「ですから女の子とお話するの苦手なんですよ」
「そうなの?」
「はい、どうも」
「そのことが信じられないのよね」
「勇気出してお話してるんですよ」
「私にもなの?」
その割には随分と馴れ馴れしいと心から思いますが。
「そうなの?」
「そうですよ、これでも」
「それが本当にわからないけれど」
「そうですか?とにかくですよ」
「女の子とお話するの苦手なのね」
「そうなんです、それで」
阿波野君は私にあらためて言ってきました。
「先輩のそのお話有り難く思います、じゃあ」
「これからなのね」
「何かとお話させてもらいますね」
「ええ、本当に私でよかったらね」
また阿波野君に言いました。
「何でもお話してね」
「あの、本当にいいんですよね」
阿波野君はここで真剣なお顔になって聞いてきました。
「先輩に何でも」
「ええ、何時でもね」
「そうですか」
「少し図々しく思うけれど」
このことは事実でもです。
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