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戦国異伝供書
第百七話 国府台の戦いその三

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「しかし」
「敵も多いですな」
「ですから」
「何かあればその敵達が出て来る」
「そうなりますから」
 だからだというのだ。
「ですから」
「当家はですな」
「決して驕らず」 
 そしてというのだ。
「そのうえで」
「謹んで、ですな」
「関東管領になり」
「そして謹んだまま」
 そのうえでというのだ。
「関東を治める場に就くべきです」
「公にも認めて頂く」
「そうあるべきです」
 絶対にというのだ。
「ですから」
「我等は謹みを忘れるべきではありませぬな」
「殿は天下を望まれますか」 
 幻庵は氏康に問うた。
「そのことは」
「天下をですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そちらは」
「いや」
 氏康は即座に返事をした。
「武田殿や今川殿とは違い」
「それで、ですな」
「当家は関東にあります」 
 この地にいるからだというのだ。
「ですから」
「それで、ですな」
「関東にあり」
 そしてというのだ。
「そのうえで」
「関東の覇者となり」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「関東の覇者になり」
「関東管領になってですな」
「はい」
 まさにというのだ。
「それで、です」
「よいですな」
「そう思っています」
「ならです」
 それならというのだ。
「やはりです」
「謹んで、ですな」
「そのうえで、です」
 そpのうえでというのだ。
「ことを為していくべきです」
「慎みを忘れぬことですな」
「覇者であっても」
 それでもというのだ。
「やはりです」
「慎みを失っては」
「まさにです」 
 その時点でというのだ。
「覇者でなくなりますので」
「だからですな」
「何としてもです」
 それこそというのだ。
「そこはです」
「忘れずに」
「そのうえで」
「関東管領になり」
 そしてというのだ。
「それからもです」
「慎みをですな」
「忘れずに」 
 そしてというのだ。
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