第二百八十三話
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第二百八十三話 金の価値
カーミラは寿司職人に帰ってもらってから使い魔達に対して話した。
「人の世界はお金が大事ね」
「何といいましても」
「何につけてもお金です」
「平和であればお金で動きます」
「それこそあらゆる物事が」
「逆に言えばお金が必要ないなら」
そうした社会はというと。
「えてしてよくない社会ね」
「はい、確かに」
「そうした社会もありましたが」
「戦乱や恐慌の中にあり」
「とんでもない状況でした」
「お金を卑しむ意見もあるけれど」
人間のそれにはというのだ。
「それでもね」
「お金でことが済むのなら」
「それならそれに越したことはないですね」
「戦乱や恐慌よりどれだけましか」
「わかったものではないですね」
「物々交換なんかしていたら」
ワイマール時代のドイツも殆どそうなっていた、天文学的なインフレーションによって経済が完全に破綻していたのだ。
「それこそね」
「社会が上手く成り立ちません」
「お金で動く方が円滑です」
「どうしてもそうなります」
「だからです」
「お金はそれはそれでいいものです」
「私はお金は否定しないわ」
カーミラはクールに述べた。
「全くね」
「左様ですね」
「ではですね」
「これからもですね」
「お金を使っていかわれますね」
「お金が全てではないけれど」
それでもというのだ。
「お金で動けばね」
「それはいい社会ですね」
「酷い戦乱や恐慌の中にない」
「そのことの何よりの証拠ですから」
「いいのよ」
本当にというのだ、こう言ってだった。
カーミラはあるものを出してこうも言った。
「これもね」
「あるとですね」
「いいですね」
「これが私の財産の源よ」
こう言うのだった、そのかなり大きなエメラルドを思わせる宝石を見ながら。
第二百八十三話 完
2020・7・26
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