暁 〜小説投稿サイト〜
切り札は二つ
第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初

「それじゃあ私ずっと笑顔でいるから」
「私からもお願いね。じゃあね」
「うん、それじゃあね」
 富美加は笑顔のままだった。梨香子もその笑顔を見て自分も笑顔になっていた。浴衣と何よりも笑顔、自分の言った通りだからだ。
 この話の後で梨香子は自分の左手の時計の時間を見て言った。
「そろそろ行こう」
「あっ、もう時間なの」
「ええ、だからね」
「お店出てね」
「今行けば充分間に合うわよ」
 梨香子はこうも言う。
「だからね」
「うん、じゃあね」
 二人で話してアイスコーヒーを飲み干す。それから言うことは。
「映画、面白いといいね」
「そうね」
 二人で笑顔で話す。こうしてだった。
 今日は二人で映画館に向かう。梨香子は富美加のその貌を見て自然と笑顔になった。その極上の笑顔を見て。


切り札は二つ   完


                              2012・10・30
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ