第六章
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「それじゃあ私ずっと笑顔でいるから」
「私からもお願いね。じゃあね」
「うん、それじゃあね」
富美加は笑顔のままだった。梨香子もその笑顔を見て自分も笑顔になっていた。浴衣と何よりも笑顔、自分の言った通りだからだ。
この話の後で梨香子は自分の左手の時計の時間を見て言った。
「そろそろ行こう」
「あっ、もう時間なの」
「ええ、だからね」
「お店出てね」
「今行けば充分間に合うわよ」
梨香子はこうも言う。
「だからね」
「うん、じゃあね」
二人で話してアイスコーヒーを飲み干す。それから言うことは。
「映画、面白いといいね」
「そうね」
二人で笑顔で話す。こうしてだった。
今日は二人で映画館に向かう。梨香子は富美加のその貌を見て自然と笑顔になった。その極上の笑顔を見て。
切り札は二つ 完
2012・10・30
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