第十二幕その六
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「是非行きたいよ」
「そうなんだね」
「うん、東北にもね」
「東北に行ったら」
王子も言います。
「その時は何かと面白そうだね」
「そう思っているよ」
「そうだね、だったら」
「その機会を待っているよ」
「楽しみにだね」
「ただ。機会は作るものといっても」
それでもとです、先生はこうも言いました。
「僕は実は今はね」
「他の地域に行く機会がだね」
「あってね。だからね」
「東北に行く機会を作ることはだね」
「今は出来ないよ」
「そうなんだね」
「うん、じゃあ今からね」
先生は王子とのお話が一段落したと見てお話を変えました、そのお話はといいますと。
「お話しようか」
「琵琶湖の生きものの皆と」
「そうしようね」
こうお話してでした、そのうえで。
先生は琵琶湖の生きもの達とお話することにしました、すると皆こう言いました。」
「水槽は広くてね」
「しかもお水はいつも奇麗でね」
「しかも食べものはいつもたっぷりで」
「満足しているよ」
「快適だよ」
「それだったらいいよ」
それならとです、先生は皆のお話を聞いて頷きました。
「僕達もね」
「うん、先生は僕達とお話が出来るからね」
「こうしてお話が出来るからね」
「僕達の状況もわかってくれてね」
「伝えられるからいいね」
「そのことはね」
まさにとです、先生はまた言いました。
「僕もいいと思っているよ」
「今のところ満足しているよ」
「ここにいても悪くないよ」
「むしろ食べることや襲われること気にしないていいからね」
「琵琶湖にいる方が快適かもね」
「そうよね」
「そう、ここにいたら」
今回一番の話題だったビワコオオナマズも先生に言ってきました。
「好きなだけ寝られるからね」
「快適なんだね」
「僕は寝ることが好きだからね」
見れば喋っているのは雄のビワコオオナマズでした。
「だからね」
「ここでだね」
「好きなだけ寝ていていいかな」
「うん、君が望むならね」
「ならそうさせてもらうよ」
「食べてだね」
「そうしてね、じゃあここで一生だね」
まさにとです、雄のビワコオオナマズは先生にお話しました。
「食べて寝てだね」
「好きな様に暮らしていけばいいよ。ただね」
「人が見に来るね」
「それで君達を学問に見ることもね」
このこともというのです。
「あるからね」
「だからだね」
「そのことはわかっておいてね」
「それじゃあね」
「しかしね」
ここで、です。先生はです。
ビワコオオナマズ達にこう言いました。
「僕も心配していたんだ」
「私達がここで快適に暮らしているかよね」
「そのことがね」
雌のビワコオオナマズに答えます。
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