第十二幕その五
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「当方の方にある湖にね」
「未確認生物ですね」
「今のところはね」
「そうですよね」
「昔からいると言われていて」
それでというのです。
「目撃したっていう話もあるし」
「食べた人もいますね」
「これが美味しいらしいね」
「そうしたお話ですね」
「そのタキタロウがね」
まさにこのお魚がというのです。
「日本最大の淡水魚かも知れないよ」
「存在が確かになればですね」
「その時はね」
「一メートル以上あるんですね」
「そうみたいだね」
「じゃあタキタロウがいるとわかれば」
「その時はね」
まさにというのです。
「タキタロウが日本最大の淡水魚だよ」
「そうなりますね」
「うん、ただね」
「ただといいますと」
「タキタロウは鱒がたまたまね」
このお魚がというのです。
「大きくなったもので」
「種類としてはですか」
「いないんじゃないかとも言われているから」
だからだというのです。
「この辺りのことはね」
「何ともですか」
「言えないかも知れないよ」
「そうですか」
「種類としてはね」
「そうなんですね」
「というかだよ」
王子がまた言ってきました。
「タキタロウのこともね」
「調べたいね」
「先生ならそう言うと思ったよ」
「うん、実際にね」
先生にしてもというのです。
「その湖に行って」
「タキタロウを調べたいね」
「実在と」
それにというのです。
「どうした種類のお魚かをね」
「調べたいね」
「是非共ね」
「どうかって思ったら」
「その時はだよ」
まさにというのです。
「それが学問をはじめる時だよ」
「だからだね」
「そう、タキタロウについてもね」
「先生はそう思ったから」
「機会があったらね」
その時はというのです。
「東北まで行ってね」
「その湖に行って」
「それで学ばせてもらうよ」
「そう考えているんだね」
「東北は他にも学びたいことが多いしね」
先生はこうも言いました。
「伊達政宗さんに奥州藤原氏にね」
「歴史だね」
「白虎隊もあるし民俗学だと秋田のナマハゲもあるし」
「あの鬼みたいな」
「それでね」
さらにお話します。
「津軽にも行きたいし」
「そちらにもなんだ」
「津軽は太宰治の出身地だから」
「今度は文学なんだ」
「そちらも行きたいから」
それ故にというのです。
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