疾走編
第三十四話 居場所
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宇宙暦791年7月1日13:00 バーラト星系 ハイネセン ハイネセン宇宙港
自由惑星同盟軍到着ゲート ヤマト・ウィンチェスター
「改めて少佐への昇進おめでとう。このままだと置いてけぼりになっちまうな」
「お前だって九月には少佐殿だろう」
「定期昇進のな。功績の結果って訳じゃないから有難いもんでもない。やっぱり功績を上げて出世しないとな…次に会ったら中佐、なんて事は無しにしてくれよ。じゃあな」
7月1日13:45 バーラト星系 ハイネセン ハイネセンポリス 統合作戦本部ビル
ヤマト・ウィンチェスター
今日、少佐になった。書類上は六月一日付だけれど、任務中だったということで昇進伝達が昨日だったのだ。ハイネセンに着いたら即、統合作戦本部の人事局の迎えが来た。バーゼル夫人には宇宙艦隊差し回しの別の公用車が迎えに来た。分からないでもないが、普通はバーゼル夫人は俺が連れて行くもんだと思うんだがなあ…組織にとってはやはり任務より人事の方が重要という事か。
マイクやシェーンコップ少佐達もそのまま原隊へ、エリカは後方勤務本部へと戻って行った。それにしても、誰に任務終了の報告をすればいいのやら…。昇進伝達が終わってもシトレのおっさんやらキャゼルヌ大佐に呼ばれる気配がない。本部ビルの中をうろうろする訳にもいかないのでそのままビルを出ると、途端に個人携帯端末が鳴りだした。
”キャゼルヌだ。ウチに来い”
7月1日14:30 ハイネセン シルバーブリッジ24番街 キャゼルヌ邸
「無事で戻って来てくれて嬉しいよ。任務ご苦労様。それと少佐昇進おめでとう」
「ありがとうございます。ですが、こんな任務は二度と御免ですよ」
「何故だ?」
「私のせいで親友や婚約者が死ぬかも知れない…こんな任務あります?」
「まあ、そう言うな。キンスキー嬢を巻き込んで済まなかった、謝るよ。だが、マイクやシェーンコップ少佐などは進んで志願したのだろう?任務の内容もそうだろうが、彼らはお前さんが指揮官だから、この話に乗ったのだと思うがね」
「私が指揮官だから、ですか?」
「そうだ。マイク以外のローゼンリッターの面子はそうだろうさ。マイクが信頼しているお前さんなら、見ず知らずの他人でも命をかけられると思ったのだろうよ。それはマイクが彼らに信頼されれている証でもある。まあ、コネ作りの側面もあったろうがね」
「コネ?私がですか?」
「そうだ。ローゼンリッターは同じ同盟軍からも敬遠されているからな。彼らは同盟軍ではなく連隊そのものに忠誠を誓っているようなもんだ。構成員の出自が異質だし、あってはならない事だが差別の対象でもある。でも、だからこそかれらの結束は固い。その中じゃ逆にマイクが異分子だ。だが彼らはマイクを信頼
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