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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第2話 星の海への船出
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「経歴、能力、資質…お前を始めとした責任者の全員、私がそれを見て、十分責務を果たせると判断したのだ。だが人材の多くを失ってきた上での選任であるのも事実だ。そして私は、本来戦術長の席に座る筈だった男も死なせてしまった。お前の兄だ」

 沖田の言葉に、古代は目を丸くする。沖田は続けて言う。

「メ号作戦は確かにイスカンダルからの使者を無事に迎えるための陽動作戦だった。だが同時に本気で冥王星のガミラス軍を撃破しようともしていたのも事実だ。戦場は常に命がけだ。ガミラスの冥王星基地を殲滅するという気概無くして作戦の成功はない。例え、それが陽動であったとしても、敵を討ち、地球を守るその思いのどこに濁りがあるものか」

 沖田の言葉を、古代は静かに聞く。そして聞き終わり、口を開いた。

「…兄の意志は自分が受け継ぎます。ですがそれだけではなく、貴方という人を見るために乗艦をさせて頂きます」

 話を終え、古代は先に艦橋へ戻る。そして艦橋に再び入ると、既に有賀を始めとする艦橋要員が集まっていた。
 艦長を拝命した有賀と副長兼技術長の真田を手始めに、古代とともに大尉へ二階級特進して航海長を務める島に船務長の森雪大尉、砲雷長を務める眼鏡の士官こと南部康雄中尉、気象長の太田健二郎少尉、情報長の新見薫少尉、通信長の相原義一少尉、機関長の徳川彦左衛門少佐の計9名はすでに席に就いており、古代は艦橋前面中心にある席に座る。そして司令官室から専用エレベータで降りてきた沖田を迎え入れた直後、通信が入る。

「提督、藤堂長官から通信が入っております」

「繋いでくれ」

 直後、メインパネルスクリーンに藤堂の顔が映し出され、沖田達が敬礼で迎えてから口を開く。

『沖田君、弾道弾の詳細な到達予想時刻が判明した。0558、ジャミングが強く
正確な時間の解析が遅れてしまった。すまん』

「長官、こちらはエンジンが始動次第抜錨します。現在の状況は?」

『うむ。現在宇宙軍は総力を以て弾道弾の迎撃部隊を編成し、出撃させている。遊星爆弾に比べれば毒素をまき散らさない分迎撃時のリスクは少ないだろうが、それでも被害が出るのは間違いない。そして電力供給だが、今極東管区全てのエネルギーをそちらへ回し始めたところだ。だが、エンジンを始動させるた…には、まだエネ…ギーが足り…な―』

 映像を送るための出力すら足りなくなったためか通信が途絶し、その場に暗い空気が立ち込めてくる。しかし沖田と有賀はただどっしりと構えて席に座り、事の趨勢を見守る。その中、コスモレーダーで状況を捕捉していた森から報告が上がる。

「提督、艦長、レーダーに捕捉しました。現在75光秒の位置です。到達まであと12分30秒」

 森がそう声を上げた直後、機関席にてエネルギーゲージを見
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