第百七十四話 冬の嵐その四
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「やはりです」
「慎重になるべきだな」
「はい」
良太は英雄に述べた。
「このままです」
「銭でいくべきだな」
「特別な紙や墨等が出ない限り」
まさにというのだ。
「それは」
「起きた時の我が国のお札もぜよ」
当季も言ってきた。
「あれは和紙を使って特殊なインクにじゃ」
「他にもだったな」
「色々な技術を使って造っちょるぜよ」
「そうだったな」
「そこまでしてぜよ」
「偽札を造らせていないな」
「一回大変なことになったしのう」
戦後日本の話である。
「聖徳太子の千円札で」
「偽札が出回ったのだったな」
「そうなって大騒ぎになったぜよ」
「少し油断するとだな」
「お札は偽札を造られるぜよ」
「今もそうだな」
「そうぜよ、北朝鮮みたいな国もあるぜよ」
この国はテロや核兵器だけではない、麻薬や偽札の密造も行っている。犯罪組織ではなく国家が行っているのだ。
「だからぜよ」
「気をつけているな」
「それでぜよ」
「この世界でもだな」
「お札は慎重にのう」
「出さないと駄目だな」
「迂闊にはせんことぜよ」
良太の言う通りにというのだ。
「わしもその考えじゃ」
「そうだな」
「今のこの浮島の技術では」
「偽札が造られるか」
「悪者はどの世界におる」
当季は言い切った。
「それこそのう」
「偽札を造る奴もな」
「偽の銭もならぜよ」
「紙幣でもだな」
「絶対に出るぜよ」
紙幣がこの世にあればだ。
「だからぜよ」
「出さない方がいいか」
「そうぜよ」
「わかった、ならな」
英雄は頷いて述べた。
「紙幣はな」
「せんのじゃな」
「そうする」
こう断を下した。
「当分な」
「おう、ただ西の浮島とな」
「今はだな」
「貨幣が違っちょるぜよ」
「それだな」
「言語と文字、度量衡は同じじゃが」
それでもというのだ。
「貨幣がぜよ」
「違ってきているな」
「だから不便が出ているぜよ」
どうしてもというのだ。
「だからぜよ」
「西の連中と話してか」
「貨幣の統一をのう」
「むしろその方がいいか」
「紙幣よりもじゃ」
まずはというのだ。
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