第百七十四話 冬の嵐その三
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「今はな」
「かなり慣れたっちゃな」
「相当な量の書類もな」
政のそれもというのだ。
「普通にこなせる様になった」
「それはいいことっちゃ」
「いい政ならな」
「よしとするっちゃな」
「そして悪いものならな」
こちらはというと。
「否としてな」
「もう一度っちゃな」
「出させる」
よい政をというのだ。
「そして俺自身もな」
「出すっちゃな」
「そうしていく、これまで通りな」
「これはという政を」
「そうしていく、実は紙幣を考えているが」
「紙幣ですか」
良太が眉を顰めさせて言ってきた。
「それをですか」
「この浮島でもな」
「いや、それはです」
「止めるべきか」
「紙幣は迂闊に出しますと」
「偽札を造られるか」
「貨幣でも造られますね」
今普通に使っているそれでもというのだ。
「そしてそれをです」
「徹底的に取り締まっている」
「はい、大判小判そして銀判も銅銭もです」
その全ての貨幣がというのだ。
「錬丹術も使い」
「かなり手を凝らして造っているな」
「そうしています、ですが」
「それでも偽を造る奴は出ているな」
「残念ですが」
「そうしたものでもだな」
「これが紙になりますと」
良太はさらに言った。
「かなりの技術を使っても」
「貨幣よりもか」
「偽を造りやすいので」
だからだというのだ。
「どうもです」
「それは止めた方がいいか」
「かなり技術が進み」
そしてというのだ。
「何があろうともです」
「造れない様にしてこそだな」
「紙幣は導入すべきです」
「今は止めるべきか」
「それで偽札が出回れば」
その場合はとだ、良太は危惧している顔で話した。偽札というものの恐ろしさをよく知っているからこその言葉だった。
「この浮島の経済が破綻しかねません」
「そうだな、実際にな」
「偽の銭で破綻した国もありました」
「確か梁だったか」
中国の南北朝時代の国の一つである、六朝のうちの一つだ。
「銅が採れなくなりな」
「鉄銭にしましたが」
「鉄は銅より多くな」
「偽のものを造りやすかったので」
その為にというのだ。
「偽銭が出回り」
「経済が破綻したな」
「はい、銭でもこうなります」
「それが紙幣になるとな」
「尚更になるので」
それ故にというのだ。
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