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レーヴァティン
第百七十四話 冬の嵐その一

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               第百七十四話  冬の嵐
 英雄は大坂城において北陸攻めの用意をさせていた、だがそれだけではなく幕府の政も行っていた。
 その中で彼は言った。
「冬は戦が出来ずともな」
「政はですね」
「行わないとならない」
 こう謙二に述べた。
「やはりな」
「はい、国は常にです」
「動いているな」
「左様ですから」
 それ故にというのだ。
「どうしてもです」
「政はな」
「冬で戦が出来ずとも」
 それでもというのだ。
「していくことです」
「そうだな」
「陣中でもでしたね」
「ああ、書を届けさせてな」
「印を押されていましたね」
「そうしていた、だからだな」
「今もです」72
 冬もというのだ。
「政はです」
「していかないとな」
「さもないとです」
「国が動かないな」
「留守の間は老中の方々がおられ」
「政をしてくれるがな」
「やはりです」
 何といってもというのだ。
「大坂にいるのなら」
「将軍である俺もな」
「政をされないと」
 それは絶対だというのだ。
「ですから」
「今はだな」
「北陸攻めの用意を進めつつ」
 そのうえでというのだ。
「政もです」
「積極的にしていかないとな」
「なりません」
 絶対にというのだ。
「それは常に動いていますから」
「政つまり国はな」
「そうです、若し政をしないなら」
「国は止まるな」
「そうなってしまいます」
「全くだな」
「万歴帝の様にすれば」
 明代後期の皇帝である、二十五年もの間朝議に出ず国政を徹底的に停滞させかつ腐敗させた。この皇帝で明朝は実質的に滅んだとさえ言われている。
「国はです」
「潰れるな」
「そうなります」
「何もしないならな」
「国は潰れますね」
「どんな国でもな」
「悪政暴政も国を滅ぼしますが」
 それと共にとだ、謙二は話した。
「無為無策もです」
「国を滅ぼすな」
「店も会社もです」
「それは同じだな」
「家も、まさに何もしないなら」 
 何が起ころうとともだ、如何なる危機が起ころうとも。
「滅びます」
「そうなることは必然だな」
「むしろ民が苦しみ国が危機に瀕しているのに」
 そうした状況であるのにというのだ。
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