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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第52話:通じ合う2人
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意を決してフィーネの館に戻ってきた透とクリス。
2人はいきなり館に突入するようなことはせず、少し離れた所に着地するとそこから徒歩で周囲を警戒しながら近付いていった。フィーネが2人が戻ってくることを警戒して、罠や待ち伏せをしていないとも限らないからである。
ところが蓋を開けてみれば、森の中ではこれと言った罠などに遭遇する事も無く思っていた以上にあっさりと館まで辿り着けてしまった。
その事に素直に喜ぶほど、2人は平和ボケしていない。寧ろ逆により警戒を強くした。これ自体が罠の一つかもしれないのだ。もしかすると、館の中に魔法使いが潜んでいるかもしれない。
〈チェンジ、ナーウ〉
「Killter Ichaival tron」
2人は互いに無言で頷き合うと、メイジとイチイバルを纏う。そしてそのまま館の中へと一気に突入し即座に襲撃を警戒して武器を構える2人だったが、彼らの目に飛び込んできたのは思いもよらぬ光景だった。
「ッ!?」
「なんだよ、これ……」
2人が館の中に入って目にしたのは、無数の人間の死体だった。それもただの死体ではない。全員が武装した、明らかに軍人とかそう言う類の人間達だ。
よく見ると死に方も様々だった。胸や腹を鋭利な刃物で刺し貫かれた様な者も居れば、全身黒焦げになっていたり上半身か下半身が木端微塵になっている者も居る。何より目を引くのは、屋敷の一画毎石にされた連中だ。この殺し方が出来る人物を、透は1人しか知らない。
クリスは血と死臭に吐き気を覚え、透も彼らの無残な姿に思わず顔を逸らした。
だが目の前の光景から目を背けてばかりはいられない。2人は喉元に嫌なものが込み上げてくる感覚を覚えながら、館内に転がる死体を慎重に確認していく。
「こいつら、日本人じゃないぞ。この装備に顔立ち……米軍か?」
「…………」
死体を検めていくと、2人は彼らが米軍である事に気付く。そこでクリスは、そう言えばフィーネは時々どこかと連絡を取り合っていたことに気付いた。
もしその相手が米軍であり、魔法使いと手を組んだことで切り捨てられた彼らが報復で襲撃してフィーネと魔法使いに返り討ちになったのだとすれば?
そう考えればこの状況にも説明が付く。何より、他はともかく人間を石に変えて殺すなどと言うやり方は、透が知る限りではメデューサにしか行えない。
「見た所もうここはもぬけの殻みたいだな。フィーネの奴、もうトンずらした後か」
普通に考えて、襲撃があった場所にいつまでも居を構えたりしないだろう。特に相手が物量の鬼とも言える米軍ともなれば。
待ち伏せや罠、襲撃が無かったこと自体は安堵すべきところだが、これで2人はフィーネに再会する為の手掛りを失ってしまった事になる。
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