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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン33 過去からの迷いし刺客
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地から除外することで、このカードを手札かデッキから直接発動することができる」

 密室のはずの塔内部に、ごうと陰気な風が吹いた。染みひとつない磨き抜かれた金属製の壁が、床が、天井が、暗くて穢れて澱んだ空間へと置き換わる。死者の王国、亡者の天国にして無間地獄。しかしそれは皮肉なことに、無菌室のようであった先ほどまでの風景よりもむしろ活気に満ちたものでもあった。

「生あるものなど絶え果てて、死体が死体を喰らう土地。アタシの領土へ案内しよう。アンデットワールド、発動!このカードが存在する限り、フィールドと墓地にモンスターは全てアンデットに書き換えられるぜ」

 蒼眼の銀龍 ドラゴン族→アンデット族
 風征竜−ライトニング ドラゴン族→アンデット族

 敵地真っただ中から一転、ここはすでに『赤髪の夜叉』の領土。周りに瘴気が増していくのとは対照的に、蒼眼の銀龍たちの放つ光は急速に弱まり消えていく。ドラゴン族を守る効果の恩恵を、アンデット族が受けられるはずもないからだ。

「改めてアタシのターン。少しばかり危険だが、黄金櫃のターンカウントが進むのはもっと気に入らねえよな?トラップ発動、バージェストマ・レアンコイリア!この効果により除外されているカード1枚を選択し、持ち主の墓地に戻す。アタシが選ぶ1枚は、アンタのテンペストだ。そしてトラップが発動されたことで、墓地からハルキゲニアの効果を発動!このカードをモンスターとして、アタシのフィールドに特殊召喚する!」

 バージェストマ・ハルキゲニア 攻1200 水族→アンデット族

 除外されたカードを枚数こそ1枚限りとはいえその種類、さらにはプレイヤーすらも問わず墓地へと送り返すカード、レアンコイリア。ハルキゲニアを特殊召喚するだけならばわざわざテンペストを狙う必要もなく自前の屍界のバンシーを再利用できるようにしてもよかったのだが、糸巻にはもう一つ狙いがあった。

「さらにアタシは、墓地に存在する妖刀−不知火の効果を発動。このカードと墓地のアンデット族、つまりレベル4の馬頭鬼を除外することで、その合計レベルと等しいレベルを持つアンデット族シンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。戦場這いずる妖の(おう)よ、我が宿敵を跪かせろ!逢魔シンクロ、デスカイザー・ドラゴン!」

 ☆4+☆2=☆6
 デスカイザー・ドラゴン 攻2400

 2体の腐ったドラゴンと対峙する、突如として立ち昇った熱を持たない炎の中から這い出てきた第3の龍。胸元に赤く輝く宝玉を持つ、青白い燐光を立ち昇らせる屍の存在だ。やがてその燐光が揺らめき、集まり、さらなるモンスターの姿へと変化する。渦を巻く風の化身、属性を司る4大征竜の一角。

「デスカイザーの特殊召喚成功時、こいつは相手の墓地からアン
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