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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン33 過去からの迷いし刺客
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まう。
 そして、ペストマスクの方は、あまり長く考える時間を与えるつもりはないようだった。レベル4と、レベル5。チューナーと、それ以外のモンスター。シンクロ召喚によって呼び出されるレベル合計は、9。もとより数の少ないレベル帯であるうえに、デブリ・ドラゴンはそのデメリットによってドラゴン族以外のシンクロ召喚に使用することができない。となると、自然とその選択肢は限られる。

「……」

 ☆5+☆4=☆9
 蒼眼の銀龍 攻2500

 再び口をつぐんだペストマスクから無言のうちに呼び出されたのは、白銀の体に青い目を持つ老練なドラゴンの姿。素材指定は、チューナー及びそれ以外の通常モンスター。塔全体を揺るがすほどの咆哮と共にその全身が、そして隣のライトニングまでもが純白の光を放ちだす。

「蒼眼の銀龍が特殊召喚に成功した場合、自分のドラゴン族に次のターンが終わるまで効果の対象と効果破壊に対する耐性を付与する、だろ?だがそいつは誘発効果だ、4伏せ相手にンなもん通るとでも思ってんのか?チェーンしてトラップ発動、バージェストマ・ハルキゲニア!この効果でこのターンの間、蒼眼の銀龍の攻守は半減だ!」

 細長い緑の体を持つ古代生物が純白の光に阻まれるよりも前に蒼眼の銀龍の足元に飛びつき、ギリギリとその体を巻きつける。さすがにその全身を縛り付けるにはあまりにもサイズが違いすぎたが、いくつもの触手や鉤状の棘を絡めてなんとしても放すまいとしがみつくハルキゲニアは生半可なことでは外れはしない。そしていくら広い塔の内部とはいえ、ドラゴンが見境なく大暴れできるほどのスペースがあるわけでもない。あまり無理に引きはがそうとすると、『BV』により実体化した蒼眼の銀龍がこの塔ごと崩してしまうだろう。

 蒼眼の銀龍 攻2500→1250 守3000→1500

「……」

 蒼眼の銀龍 攻1250→2500 守1500→3000

 屍界のバンシーの攻撃力は、蒼眼の銀龍のそれを一時的にとはいえ上回る。ペストマスクもわずかに思案するようなそぶりを見せたのち、このターンは大人しく待つことに決めたらしくあっさりとターンを終えた。
 そしてそれは、合理的な判断でもある。バージェストマ・ハルキゲニアの効果は糸巻自身も言及したように1ターン限り、つまり黙っていれば勝手に切れるものでしかない。フィールドでも締め付けていたハルキゲニアとそれに耐える蒼眼の銀龍の耐久合戦に決着がつき、力尽きたハルキゲニアが拘束を解いてシュルシュルとどこへともなく去っていった。
 しかしその合理的、というところに裏がある。それこそが糸巻の狙い、彼女にとって最も都合のいい展開なのだから。

「アタシのターン……の前に、アタシもエンドフェイズに効果を使わせてもらうぜ?屍界のバンシーは場か墓
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