ターン33 過去からの迷いし刺客
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「まあいいさ、そっちが事故ってるならそれでよし、だ。だろ?アタシは勝手にやらせてもらうぜ、メイン2にカードを4枚セット。そして魔法カード、命削りの宝札を発動。このターン特殊召喚ができず相手にダメージを与えられない代わり、アタシの手札が3枚になるまでカードをドローすることができる」
「……」
妨害を使うならここしかないと言わんばかりの、パワーカードによる露骨な誘導。しかしペストマスクは微動だにせず、その伏せられたカードも沈黙を保ったまま動かない。結局何事もなく3枚ものカードを引いた糸巻が、ちらりと目を通してそのうち1枚を追加で伏せる。
「そして最初に伏せたカード、おろかな副葬をリバースから発動。デッキから魔法、罠1枚を墓地に送る。アタシが選ぶカードは、不知火流 才華の陣。そしてエンドフェイズ、命削りの宝札のデメリットが発動。アタシの手札をすべて墓地に置く」
捨てる手札は2枚、しかし当然そこは抜け目ない。彼女が捨てたカードは妖刀−不知火、そして馬頭鬼。アンデット族お馴染みの、墓地に置かれてこそ真の力を発揮できるモンスター2体だった。
「……」
しかし、それを見てなおペストマスクの奥からは何の感情も読み取れない。かといってこの2枚が墓地に送られた意味が理解できないというわけでもないようだ、糸巻はそう直感した。その超然とした態度からはむしろ、ここまでの動きはすべて想定内であるという余裕が感じられる。やはり、普段の彼女とそのデッキのことをよく知る人物の線が強いか……しかし、それだけではまだ情報が足りなさ過ぎて候補を絞りようがない。
何を狙っているのか、どこに勝算があるのか。ライトニングのセットという謎めいたプレイングもあり全てが不透明な相手にターンを移そうとした刹那、おもむろにその伏せカードが表を向いた。
「……」
「ようやく動くのか?って、ライトニングってことは、当然テンペストも入ってんだろ?それでなんだ、今度は岩投げアタックだと!?」
ようやく自分からカードを発動したペストマスクが伏せていたのはコストでデッキの岩石族1体を墓地に送り、相手に500ダメージを与える通常トラップ。コストと効果とは名ばかりの、墓地送りこそが本命でそのおまけに軽バーンがついたという一般認識を持たれる数ある墓地肥やしの中でも癖の強い1枚である。
そして岩石族のサポートという性質上、風属性へのサポート効果を持ちドラゴン族であるライトニングとのシナジーは限りなく薄い。糸巻の困惑は、デッキから抜き取られたカードを見てますます深まった。
「おいおい、今度は迷宮壁−ラビリンス・ウォール−かよ、つくづく読めねえ奴だな」
糸巻 LP4000→3500
守備力3000を誇る、文字通り壁とな
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