ターン33 過去からの迷いし刺客
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撃力を1000ダウンさせる」
アークネメシス・プロートス 攻2500→1500
星態龍 攻3200→2200
今さらぐだぐだと長話をするつもりは、お互いにない。そもそも引戸側もサイバース・ホワイトハットが出た時点でもはや自分の結果的なプレイングミスとその代償が敗北という形で支払われることはわかっており、それ以上の言葉は蛇足でしかなかった。
だから彼はただ糸巻とほんの1瞬目を合わせ、小さく頷いて目を閉じる。最後の一撃を行う側も、それを受け入れる側も、不思議と気分は穏やかだった。
「麗神でアークネメシス・プロートスに攻撃、輝夜ノ竹割!」
麗神−不知火 攻2300→アークネメシス・プロートス 攻1500(破壊)
引戸 LP650→0
「……アタシに1戦で2回も命削りを使わせた相手なんざ、現役の時もそうはいなかった。本当に、大したもんだったぜ。あばよ、マネージャー。いつかまた、物騒なのは抜きで昔話でもしようや」
気を失ったのか声も発さずその場に崩れ落ちていくかつての仕事仲間に、自分でも驚くほど優しい声音で別れを告げる。本当ならば介抱したうえで逃げ出さないようにその辺に縛り付けるのが正しいやり方なのだろうが、あいにく手持ちの手錠は1つしかない。それに、糸巻は引戸のことを人間的に信頼していた。彼はやるだけやって負けたのだから、たとえ目を覚ましたとしても逃げ出したりはしないだろう。
改めて引戸の降りてきたエレベーターと階段を見て、迷うことなく階段に足を向ける。ここでエレベーターに乗り込んだが最後、十中八九こちらの動きは掴んでいるであろう巴が道中で電源を落とし閉じ込めにかかるだろう。彼女は巴のことを人間的に信用していたが、それは引戸に対するものとは180度逆。あいつならそういうことも平気な顔してやるだろうという負の感情だった。
カツカツという足音は糸巻の姿が2階に消えてもまだしばらく1階フロアに小さく響いていたが、やがてそれも小さく消えていく。引戸の眠りは、誰にも邪魔されることはなかった。
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