ターン33 過去からの迷いし刺客
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喚できることは知っていた。だが地属性のラビリンス・ウォールと闇属性のウォール・シャドウ、まともに共有できるようなサポートがほぼない2体を、むしろその違いを武器にまとめてくるとは。
「行くぞ、プロートスの効果を発動。1ターンに1度フィールドに存在する属性を1つ宣言し、その属性のモンスターをすべて破壊。さらに次のターン終了時まで、その属性を持つモンスターを互いに特殊召喚できない」
「デスカイザーは、炎属性……!」
だが、引戸はそれに小さく笑う。油断も隙もない女だと独り言ち、心底おかしそうに苦笑する。
「とぼけるな、糸巻。お前の墓地にはフリーチェーンで除外しアンデット1体に完全効果耐性を付与するトラップ、不知火流 才華の陣が落ちているだろうが。どうせこのターンでライフを削りきれないのならば、警戒すべきは妖刀のない不知火よりもむしろ……俺が宣言するのはプロートス自身の属性、闇!しかしプロートスは、カードの効果によって破壊されない」
プロートスの頭頂部に伸びた角からバチバチと電磁波がフィールドを包み、闇属性の存在を許さない簡易的な力場が発生する。当然それはプロートス自身にも襲い掛かるが、引戸の言葉通り体表をのたうち回る自身の電磁波に対してもプロートス自身は平然としたままだ。
「……炎を宣言して才華の陣を使わせる、ってのもありだったと思うぜ。本当に闇でいいのか?なんなら、今からだって」
「惨めなものだな、あまり笑わせるな。俺がどれだけ、お前のデュエルを見てきたと思っている?ヴァンパイア・フロイライン、死霊王 ドーハスーラ、そして真紅眼の不屍竜……一見お前のデッキは不知火とバージェストマの混成構築だが、最終的に好んで出すカードは闇属性の比率が大きい、だろう?」
「……」
今度押し黙ったのは、糸巻の方だった。実際にこうして闇属性を封じられると、彼女に遺された展開可能な大型モンスターはクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンや炎神−不知火、バージェストマ・アノマロカリスなどごく一部に限られる。そしてそのどれも特殊召喚には下準備が必要であり、次のドロー1枚からホイホイと呼び出せるような代物ではない。だからこそ闇属性を宣言されることは避けたかったのだが、そんな考えはお見通しだったらしい。
「待たせたな、バトルだ。アークネメシス・プロートスでデスカイザー・ドラゴンに攻撃!」
アークネメシス・プロートス 攻2500→デスカイザー・ドラゴン 攻2400(破壊)
糸巻 LP3500→3400
「この程度のかすり傷!」
「当然本命は次だ、星態龍でダイレクトアタック。そして星態龍が攻撃を行う時、このカードはあらゆる効果を受け付けない!」
星態龍 攻3200 アンデット族
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