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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン33 過去からの迷いし刺客
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ャドウ!」

 ウォール・シャドウ 守3000 戦士族→アンデット族

 再びせり上がった迷宮の壁の一部が突然盛り上がり、壁と一体化した緑の体に無数の目、鎌状の両腕を持つ異形の化け物の上半身が姿を覗かせる。

「レベル7のウォール・シャドウに、レベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング。シンクロ召喚、星態龍!」

 ☆7+☆4=☆11
 星態龍 攻3200 ドラゴン族→アンデット族

「専用装備での実質レベル変動、うまいこと考えたもんだな。だが、魅せプレイで飯食ってくわりに召喚口上もなしってのはいただけないな」
「あいにく、俺にその手のセンスはないからな。それに、お前たちのようにカードを出すたびにいい年して臆面もなく人前で叫ぶ度胸もない。正直なところお前のマネージャー時代から薄々思ってたんだが、プロデュエリストってのはその辺の羞恥心はないものなのか?」
「はっ、笑わしてくれるなよ。アタシらはあくまで夢売る立場、そこで現実見てどーすんだ?もっと地に足つけずに浮いてみろ、踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃ損。存外楽しいもんだぜ?」

 これはつまり、両者の根本的なスタンスの違いなのだろう。即答しながらも糸巻は、そう感じていた。単純に「お約束」として場を盛り上げ、自分も割と叫んで楽しい召喚口上に対する拒否反応はその最たる例で、良くも悪くもリアリストよりのこの男はプロデュエリストという概念には向いていない。仮に13年前のあの時代にマネージャーからプロに転向していたとしても、実力は高いが人気は伸び悩む新人程度の扱いで止まっていたはずだ。
 しかしこの価値観の違いは、大なり小なり同じ世界観の中での戦いに順応した糸巻ら元プロに対してこと勝敗という点ではかなり有利に働く。動きが読めず、培ってきた間合いが通用しないからだ。それに対し無効は、理解こそできないもののこちらの世界がどういうものかをよく知っている。立ち位置の違いからくるアドバンテージを一方的に握っていたからこそ、勝敗と実力がより重視される裏の世界においてのし上がってこれたのだろう。

「俺には理解できないな。まあいい、俺は墓地から風属性のデブリ・ドラゴン、地属性のラビリンス・ウォール、そして闇属性のウォール・シャドウを除外。異なる属性のモンスター3体を除外することで、手札のこのカードは特殊召喚できる。アークネメシス・プロートス!」

 アークネメシス・プロートス 攻2500 幻竜族→アンデット族

 体に4色のラインが走る、金を基調とした東洋の龍のような姿を持つ原初のネメシス。終焉のエスカトスとはあらゆる面において対比する、アークネメシスの1体だった。その展開に、心の中で糸巻が目を見張る。彼女とて無論、ラビリンス・ウォールと迷宮変化によってウォール・シャドウを特殊召
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