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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン33 過去からの迷いし刺客
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が俺のライフの数値以下になるよう、相手プレイヤーはそのフィールドからモンスターをデッキに戻さなければならない」
「くっ!わざと殴らせた……ってのか?ライフを削らせるために?」
「当然だろう?俺のライフは650、攻撃力650以下になるようにフィールドを調整してもらおうか」

 糸巻のフィールドでもっとも攻撃力の低いバージェストマ2体でさえ、その攻撃力は1200ある。すなわちこの効果が通れば、彼女のフィールドに存在するモンスターは全てデッキへと戻される。勝負を決めかねない反撃の一手に、しかし糸巻は抵抗する。

「……させるか!トラップ発動、亜空間物質転送装置!アタシのフィールドからデスカイザー・ドラゴンを、ターンの終わりまで除外する!」

 デスカイザーが辛うじて退避したものの、他のモンスターにまでは手が回らない。蒼眼の銀龍、テンペスト、不知火の武士、そして2体のバージェストマが、激しい爆発に巻き込まれて消えていく。

「これでも1体は残したか。さすがに一筋縄ではいかないな」
「当たり前だ馬鹿、素人に毛の生えたレベルの奴がアタシ相手に1本取ろうなんて百年早いんだよ」
「あと87年か。さすがに待てないから、これまでの13年で勘弁してもらおう。俺のターン、ドロー」

 フィールドに唯一残ったモンスターが特殊召喚時以外はただのバニラであるデスカイザー1体のみと、その状況はかなり悪い。それは糸巻自身が誰よりも理解しており、言葉こそ強気ではあるが、その態度が虚勢でしかないことも付き合いの長い引戸には見透かされていたために軽く流される。それに対し引戸の方は、ここに来て調子が上がってきているようだった。

「2体目のデブリ・ドラゴンを召喚し、このターンもラビリンス・ウォールを蘇生する」

 デブリ・ドラゴン 攻500 ドラゴン族→アンデット族
 迷宮壁−ラビリンス・ウォール− 守3000 岩石族→アンデット族

 そして繰り出されるのは、先ほどのターンと同じ戦術。アンデットワールドの効力によって呼び出された瞬間に種族を書き換えられるものの、素材指定の関係上エクストラデッキに返された蒼眼の銀龍を再びシンクロ召喚することに支障はない。
 しかし次に引戸が出したカードは、糸巻にとっても不意打ちの一手だった。

「なんだ、まさか先ほどと同じ戦術で来るとでも思ったか?それこそお前らしくもないな。それとも、相手を見る目が鈍ったか?蒼眼の銀龍を再び出したところで、どうせお前相手には通用しない。ならば、さらに次を出してやるまでのことだ。専用装備魔法、迷宮変化をラビリンス・ウォールに装備する!」
「迷宮変化……!?」
「さらに迷宮変化を装備したラビリンス・ウォールをリリースすることで、デッキからこのカードを特殊召喚できる。いでよ、ウォール・シ
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