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久しぶりに武器屋の親父に会いに店へ入ったとこで、ふと……この前、出会った男を思い出した。
アイツとの出会いは、道端で引ったくりを捕まえたのがキッカケだった。
自分よりも頭一つ分はデカイ大柄な男。
最初はそれくらいにしか思ってなかったが、よくよく思い出してみれば、いくつか引っ掛かるような容姿をしていたな。
どこか抜けていそうで力の籠もった瞳。
眼の色はブラウンっぽく、肩まで伸びる黒髪をオールバックにした髪型は男の体格と相まって威圧感を増している。
で、感じ方というか、なんだか日本人っぽさを連想させる。
それと今更ながら、最初に目を引くべきモノ。
黒い革のジャケットに、斜めに鎖を繋げ垂らしたXのように見せる十字架のネックレス。
本来、この異世界にあるはずのない、元いた世界の現代服。
それらを踏まえて思ってしまった。
[[rb:目の前にいる男 > ・・・・・・・]]はまるで、俺と同じ日本人だと。
「ラーメン、食うか?」
「いらん、ここは俺の休憩所だぞ」
「いや、俺の[[rb:武器屋 > 休憩所]]だよ」
???
パキッと良い音を鳴らし箸を割ると、目の前の男は行儀良く俺にとって馴染みある食前の挨拶を始める。
「じゃ、いただきます」
腰を置いて話す場所はないかと尋ねられた武器屋の親父に促され、俺達とジャケットの男は奥の部屋でテーブルを挟み向かい合うように座っているんだが……。
「……おい」
ずぞっ
「……おいって」
ずぞぞぞぞぞぞぞ
「おい!! なんでココでラーメン食い出してんだよッ!?」
俺はシカトし続ける目の前の男に堪らず、バンッとテーブルに手を叩きつける。
部屋に入ってラーメン食うまで何の反応を示さなかったジャケットの男が、やっとラーメンから顔を上げて此方を見やがった。
「だってお前、食わねぇんだろ。
俺が食わねぇと、のびるじゃねぇか」
「他で食え!! 何しに来たんだ、アンタ!?」
俺達が座る席の後ろで、フィーロが「いいなぁ……」なんて指を加えながら呟いているが、[[rb:ラーメンのこと > そんなこと]]はどうでもいい。
「ここはアンタの休憩所じゃねぇぞ! 俺の休憩所だ!!」
「アンちゃん、さっきは流したが休憩所気分でウチ来てたのか?」
俺はつい本音を漏らしたが、別に今更だどうでもいい。
「だけど、アンちゃんの言う事ももっともだ。
アンタ、何なんだ? お客さんかい?」
部屋の扉に背を預けながら、ジト目で見てくる武器屋の親父はタメ息を吐くと、
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