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XCUTION

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ってるのか > ・・・・・・・・・・・・]]?」

 「……何?」

 「──いいや」

 ……何を言っているんだ?

 「オメーは勇者の事も……災厄の波の事も、知らねぇ筈だ。[[rb:まだ何もな > ・・・・・]]」

 まるで目の前の男は、全てを知っているかのような口振りだ。

 「どういう……意味だ……?」

 「……そのままだ。
 何も難しいこと言ったつもりは無えよ」

 その時、フッと不敵に笑う目の前の男が不気味に感じてしまう。

 「オメーはどれだけ知ってんだ? 盾の勇者の事をってな。
 知りたいと思わねえか?
 この国で……何故、勇者である自分が忌み嫌われているのかを?」

 「……お前、何故それを」

 いま思えば確かに違和感は最初っからあった。
 あの事件が起きるより前、城にいた時の周囲からの態度。
 冤罪事件が起きた後の周囲も王を、クソビッチの言葉を後押しするかのような一方的な状況。

 「……尚文様」と俺の腕に手を当て気に掛けてくれるラフタリアに、「ごしゅじんさま、大丈夫?」と動物的勘で部屋の空気を感じ取ったフィーロ、察して目を閉じる武器屋の親父。

 気づかないうちに俺は、手汗が滲み出るほど動揺を晒していたようだ。

 それを見たジャケットの男は立ち上がると。

 「少し、外の空気を吸いに行かねぇか。付いてくれば面白いモンが見られる筈だぜ」



 ???



 ジャケットの男の後に付いて店を出た俺達に、アレを見な、と男は街の教会が掲げているあるモノを指差す。

 そこには剣、槍、弓の三つが重なり合うようなシンボルが有った。恐らく勇者のシンボルなんだろう。……でも、何だ。

 「気にならねぇか?」

 確かにジャケットの男が言うように何か違和感を感じる…………そうか。

 「盾が、無い……?」

 そう。勇者のシンボルであるはずのそこに、盾は無いんだ。

 「気付いたか。剣、槍、弓があるのに、そこには盾だけが無い。それは何故か」

 教会……シンボル……国……いや、まさか……。

 「はっきり教えてやる。
 この国、メルロマルクではな。盾の勇者を宗教上の敵と見なす国教を信仰しているんだよ」

 ……なん……だと……。


 それから、ジャケットの男はこの国の状況を少しずつ話しだした。

 メルロマルクは女王制であり、今の王は不在時の代理の王に過ぎないこと。
 この異世界の各国が集まる世界会議の決定を無視して「四聖勇者を各国が1人ずつ召喚する」という協定を破り、独占を図ったことでメルロマルク国を波の前に戦争で滅ぼしかける大罪を犯し、メルロマルクの女王はその後始末に追われ戻れないこと。

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