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俺の代わってジャケットの男に問い掛ける。
「当たり前だろ、お客さんだ」
ラーメンスープを飲みながらジャケットの男は答える。
「だから、お茶ください」
「緑茶でいいかい?」
出すのかよ親父。
目の前の男は、ごっごっごっと良い飲みっぷりで一息ついてやがる。
「……で。アンタ、俺に何の用だ?」
気前良く親父が出した緑茶を飲み干したとこで、俺がもう一度問い掛けると、ジャケットの男は呆れたような目で、俺を見やがる。
「妙なことを言うね。オメーに用なんか無えよ」
男は薄ら笑いを浮かべて、コンッと空になった湯呑みをテーブルに置く。
「この店に入ったのは偶然だ。
面倒な仕事を引き受けてくれる人物を捜してたら、たまたまその人物がこの店に居ると聞いて、そこに入ったらオメーが居た。
────偶然だろ?」
「……へえ」
……偶然、ね。
「ラーメン持って、偶然か?」
「いいだろ。ラーメン、好きなんだよ」
「好きが理由で持ち歩くなら、俺もチョコレートを持ち歩いてる」
「チョコが好きなのか? 可愛いねぇ」
「ハナシをすり替えるな」
自分でも段々ズレてきているのは分かっていたが、目の前の男にタメ息を吐かれると余計に腹立つな。
「……やれやれ、ラチがあかねぇな」
やっと本題に入るのか、ジャケットの男は姿勢を直し始める。
「そんな言い合いをしに来たんじゃねぇんだ。
そっちの親父さんが店長さんかい?」
「……ああ、そうだぜ」
「用件、言っていいかい?」
???
「……さっきもいったが、俺はある人物を探してる。その人物に勇者の事に関して聞きたいこともあってな」
そこまで聞くと俺は拳を握り締め、警戒心を更に上げる。
「そいつは盾の勇者で近頃、王都や周辺の村々じゃ、神鳥の……あー何とかって呼ばれてたっけな? 名前が確か、岩谷……」
………………。
「……神鳥の聖人だ」
「何だ。知ってんのか?」
「……ナメてるのか?」
知らないでココに来たとは思えない。
コイツ……ワザとなのか。
「アンタが捜してる岩谷尚文は俺の事だ!!
用件があるなら、さっさと言え!
知りたいことがあるなら、何だって答えてやる!!」
「オメーが噂の神鳥の聖人サマか。[[rb:そりゃ偶然だな> ・・・・・・・]]」
「まだ恍けるのかッ」
白々しい奴だッ。
「だが、“何だって答える”?」
まるで滑稽な人物を見る目で、ジャケットの男は薄ら笑う。
「本当に、[[rb:答えられる程知
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