第104話
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俺の身体と同化するなんて夢にも思わなかっただろうからな。」
「うっ…………え、えっと……リィン様はやはりあの時の事を後悔されているのでしょうか?リィン様としても、”初めて”はエリゼ様かエリス様で経験されたかったのかなと時々考えてしまうのですが……」
リィンの答えを聞いてかつての出来事を思い返したメサイアは唸り声を上げた後気まずそうな表情を浮かべてリィンに訊ねた。
「そんなメサイアにとってあまりにも失礼な事は一度も考えた事はない。――――――むしろメサイアには感謝しているよ。メサイアの件がエリゼとエリスの俺に対する長年の想いをぶつける発破になったお陰で、俺は二人に対して本当はどんな目で見ていたのかに気づくことになったし……それに……今考えてみるとメサイアと出会い、契約した事が”今の俺”になったんだと思うんだ。」
「?それはどういう事でしょうか?」
リィンの言葉の意味がわからないメサイアは不思議そうな表情で訊ねた。
「……ロイド達との交流の際にメサイアも聞いただろう?並行世界のキーア―――”零の至宝”による”因果改変”前の本来の歴史のゼムリア大陸での”巨イナル黄昏”の結末は俺とクロウ、ミリアムが犠牲になる可能性が高かったという話を。」
「あ………はい。ですがその件と”私との出会いが今のリィン様になった”という話とどう関係しているのでしょうか?」
静かな表情で答えたリィンの話を聞いたメサイアは呆けた後複雑そうな表情で頷いて続きを促した。
「………今でもみんなからは恋愛方面に関しては”鈍感”と言われ続けている俺でも、幾ら何でも女性が一番大切にしている操まで捧げられたら、その捧げられた女性の俺に対する”想い”にも気づくし、そこまでしてくれた女性に対する責任感だって当然芽生えるさ。」
「それって要するに自ら操まで捧げてくれた女性達に対する責任を取る事や想いに応える事、そしてリィン様ご自身が犠牲になるような事をして、その女性達を悲しませない事をさせない為に、『皆の為に自分が犠牲になればいい』という考えを改めた今のリィン様という事でしょうか?」
「……簡単に言えばそういう解釈になるだろうな。」
自分の話を聞いてある解釈をしたメサイアに対してリィンは気まずそうな表情で肯定し
(フム……確かに今日の戦でも主は仲間や配下達の犠牲を防ぐ為に主自ら”人間”の身でありながらたった一人で”飛天魔”であるベアトリースに挑むという自己犠牲な部分を見せてはいたが、ベアトリースに敗北した場合でも最悪主が殺されることはない対策もしていたな。)
(あぁ……っ!この身達の存在のお陰で、我が主の御心を良き方向へと導くきっかけとなった事は我が主の”守護天使”として本望です……!)
(うふふ、古来より男を変え
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