第六十話 朝早くからその二十二
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それで、です。阿波野君は私にこうも言いました。
「じゃあまた今度」
「そうなのね、何で私と一緒に飲みたいのか」
「おわかりにならないですか」
「何がよ。とにかく今は一緒に食べましょう」
お菓子をとです、阿波野君にお饅頭を差し出しながら言いました。
「そうしましょう」
「はい、じゃあ」
阿波野君も頷いてくれて二人でお菓子を食べました、そして食べ終わってお茶も飲んでからでした。
阿波野君から私にこんなことを言ってきました。
「これから暇ですか?」
「ええ、今日は予定ないから」
私は阿波野君にすぐに答えました。
「これといってね」
「じゃあこれから外に出ませんか?」
「お外に?」
「八条町一緒に歩きましょう」
「別にいいけど」
私は阿波野君に少しきょとんとなって応えました。
「けれど阿波野君この町のこと知ってるわよね」
「親戚もいますしね」
「結構ここに来て」
「知ってますけれど」
それでもと言ってきました。
「先輩に案内して欲しいんです」
「おぢばの時と同じこと言うわね」
「そうですか?」
「そうよ、何で私なのよ」
思わず首を傾げさせてしまいました。
「そこがわからないわ」
「じゃあそのうちわかって下さいね」
「そのうちなのね」
「そういうことで。今から」
「ええ、一緒にね」
「町を歩きましょう」
「お母さんに言っておくわね」
外出することをです。
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