第十一幕その三
[8]前話 [2]次話
「一通り揃ってるね」
「お饅頭があって」
「お団子もありますね」
「羊羹美味しそうですね」
「それにどら焼きも」
「きんつばなんかも」
「それが全部畑にもあるから」
そして木の実にもなっています。
「食べるといいよ」
「中国のお菓子もね」
樵はそうしたものが実る木や畑を見ています。
「沢山あるからね」
「杏仁豆腐ありますね」
「マンゴープリンも」
「それにマーラーカオも」
「桃饅頭があって」
「ごま団子も」
「これだけあるとね」
それこそというのです。
「見ているだけで楽しいね」
「ケーキはどう?あたしケーキの歌も歌うのよ」
つぎはぎ娘も五人に言います。
「ここはケーキも多いから」
「生クリームのケーキに」
「モンブランに」
「チーズケーキがあって」
「そしてチョコレートも」
「パイナップルのケーキも」
「そう、もうあらゆるケーキがあるから」
それでというのです。
「楽しんでね」
「ううん、じゃあ何を先に食べようかな」
「正直迷うね」
「どうしても」
「どれを最初に食べるか」
「そして飲むか」
「迷うも楽しだね」
トトはあれかこれかとなっている五人に笑ってお話しました。
「これは」
「どうもね」
「どれにしようかな」
「最初は何を食べようか」
「何を飲もうか」
「決めかねるわ」
「けれど決めないとね、こうした時は」
トトは笑って言いました。
「目を閉じて最初に目に入ったものを食べるといいね」
「私はこれにするわ」
ドロシーは最初に見たドーナツを指差しました。
「それをね」
「ではね」
ここで、でした。ドロシーの傍にです。
黒髪をリーゼントにした甘いマスクの男の人が出て来ました、着ている服はとてもみらびやかなものです。
その人を見てです、ジョージは驚いて言いました。
「エルビス=プレスリーさんですか?」
「そうだよ」
その人はジョージに笑顔で答えました。
「今はオズの国にいるんだ」
「そう聞いていましたけれど」
「今はお菓子の国に来ていてね」
「それで、ですか」
「お菓子を楽しんでいるんだ」
「そうですか」
「僕はドーナツが大好きでね」
プレスリーさんはジョージに気さくに笑って答えました。
「今も頂くよ」
「それじゃあ」
「さて、私はブランデーケーキを食べようか」
タキシードを着てサックスを着たアフリカ系の男の人でした。
「これからね」
「貴方はルイ=アームストロングさんですね」
「その通り」
この人もジョージに答えました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ