第二章
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の国の強制収容所にも」
「万景峰号に密航してね」
「それヨハネスブルグより確実に死ぬだろ」
良晴でなくともすぐに確信できることだった。
「というか誰がそんな企画考えたんだよ」
「若しくはアマゾン単身横断とかね」
「カヌーだけでアマゾン川本流を端から端まで行き来とか」
こちらの企画も壮絶だった。
「どうかな。ヨハネスブルグでなくてもいいけれど」
「どっちにする?」
「どっちも嫌に決まってるだろ」
平壌もアマゾンもだった。
「無茶苦茶じゃねえか」
「多分ヨハネスブルグが一番ましだよ」
「まだね」
これまた壮絶な比較だった。少なくとも北朝鮮なぞ誰も行きたいと思わないしそもそもまともな国ですらない。
「だから頼むね」
「ヨハネスブルグ行ってね」
「何処のお笑い芸人だよ」
まさにその企画だった。
「しかも後の二つは企画に出すなんておかしいだろ」
「いや、面白そうだからってね」
「それで決まったんだよ」
「最初はアナコンダと一対一の対決とかね」
「将軍様の頭に女もののパンツ被せるってのもあったよ」
「考えた奴確実に頭おかしいな」
良晴はそれをしたら確実に死ぬことを確信した。その話を聞いて。
「まだヨハネスブルグの方がましか」
「ああ、そうだよ」
「それじゃあいいね」
「ヨハネスブルグ行ってくれるね」
「頑張って」
「ああ、わかったよ」
良晴も遂に観念した。他の企画があまりにも滅茶苦茶だからだ。それこそ異端審問の時代にバチカンを批判するだの甲子園の一塁側で巨人グッズに身を包んでバースの写真や阪神の旗を燃やし巨人を賛美するかの如き所業だ。問題外だからだ。
仕方なくヨハネスブルグに行くことにした。簀巻きにされていては逃げることも断ることも出来なかった。まさに万字窮すだった。
大阪の新国際空港からヨハネスブルグに向かう。ボディーガードはそこにいた。それは。
剃刀の様な細い目に角刈りの男だった。身体つきは逞しい。だが。
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