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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第70話 訪れる邂逅:後編
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は見られない産物ね」
「そうなんですか」
 依姫に対して相槌を打ちながら、勇美は徐々に合点がいくのだった。
 依姫が知らないものだったからこそ、彼女は勇美とは違って感じる所がなかったのだと。
 そして、外の人間である勇美には馴染みの深いものだったから彼女にだけ感じる所があったのだろう。
 だが、目を向けるべき事は他にもある。
「何でこんな所に公園が……?」
 それが一番の問題であった。今まで勇美達は境界の中を探索していた筈であった。それが今は、勇美の育った外界の産物である公園にいるのだ。
 それに対して依姫は答えていく。
「常識で考えてはいけないわ勇美。ここは幻想郷の管理者の管轄にある空間なのだから……」
「確かに……」
 依姫の言葉は大雑把なものであろう。だが、それで説明となって通用してしまうのだから、八雲紫の存在の影響力というのが計り知れない事を物語っているのだった。
 と、ここで依姫は少し話題を変えるのであった。
「ところで勇美、貴方はここで何を感じるのかしら?」
「そう言いますと?」
 依姫の質問の意図が分からず、勇美は首を捻る。
「ここは私には馴染みのない空間だから、私には何も感じる事は出来ないのよ。だけど、勇美なら何か感じる所はあるでしょうから」
「う〜ん……」
 そう言われて勇美は悩んでしまう。何せ依姫に分からない事の答えを委ねられてしまったのだから。そうして暫く返答に困っていた勇美だが、だんだんとこの空間から感じるものの答えが出てくるのであった。
「えっと、うまく言えないんですけど……、何か懐かしさを感じます」
「懐かしさ、ね」
 そう勇美の答えを反芻する依姫。それは悠久の時を生きる依姫にとってやや馴染みのないものかも知れないだろう。人間である勇美よりも永い時を過ごす課程で、過去のものに懐かしさを感じる感覚が鈍っているのだから。
 そして、懐かしさとは。勇美が幻想郷に降り立ってから暫くするから、外界の産物にそういった感情を覚えるのだろうと依姫は思うのだったが、勇美はこの後を続けた。
「ただ、私にとって暫く見なかったものだから懐かしいって感じたのも勿論あるのですが、それとは違う何かを感じるのです」
「それは何かしら? 分かる範囲でいいから教えなさい」
「そうですね……」
 依姫に言われて考えあぐねいた後、勇美は「よしっ」といった風に一呼吸置き、それから言い始めた。
「何となく感じるんですけど、切なさとか、もう二度と手に入らないような感覚といった、何か胸が少し締め付けられる……そんな不思議な感覚ですね」
「そう……」
 依姫は相槌を打ちながら、ここはもう自分の出番ではないと思うのだった。自分に分からない感覚に悩んでも理解出来ない限界というものがあるからだ。
 勇美の方も、自分も漠然とした
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