第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第70話 訪れる邂逅:後編
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ら、自信を持ちなさい」
「はい、そうですね」
そう勇美は返しながら思った。依姫から借りる形となった神降ろしの力。その力で勇美は数々の弾幕ごっこをこなしてきたのだ。だから、今回もその力で以て戦うまでであると。
そう改めて心に誓った勇美は、依姫と共に境界内の探索を続けていく。
そうしていると、今までと様相の違う場所へと辿り着いたのだ。
そこは、境界の中にして、更に空間に穴が空いていたのだ。まるで洞穴のようにぽっかりと。
それを見て勇美は何か不思議な感覚に陥り、何故かそこに引き込まれるような気持ちに陥るのだった。どこか、懐かしい感じがそこから漂ってくるのである。
「依姫さん、これは……」
「そこがどうしたの?」
対して勇美に呼び止められた依姫は、別段気にした様子はなかったのだ。
「えっ?」
そのような事が今までにあっただろうか? 様々な観点で鋭い依姫が注意を向けず、先に勇美の方が注目するなどという事が。
「どうしたの、勇美?」
「あ、いえ。依姫さんよりも先に自分が注目するなんて事もあるって事に驚いてしまったんですよ」
「確かに……」
勇美にその事を指摘され、依姫は素直にそれを認めたのだった。これには何か、特別な事情があるのではないのか。
「それで、どうしますか?」
「そうね……」
勇美にここから先どう動くかを聞かれ、依姫は考える。それは一見長くなるかと思われたがそこは依姫、的確な判断をすぐさま下したのだ。
「行きましょう。万一の時は私の神降ろしがあるし、お姉様を始めとした皆へ呼び掛ける事も出来るしね」
「はい、それじゃあ入りましょうか」
二人はそう言うと、一緒にその空間の穴へと入り込むのだった。
◇ ◇ ◇
「ここは……?」
穴に入り込んだ瞬間に目の前が真っ白に目映く光り、暫くその状態が続いたが、それもようやく終わりを迎えたようだ。
勇美が今の状況を理解し始めると、驚愕する事となるのだった。
「ええっ!?」
思わず声を上げてしまう勇美。その理由を説明する為に今の状況を明確にしていこう。
まず、勇美が足を付けているのは先程までの光の板ではなく、しっかりとした地面だったのである。
それは、柔らかい土ではなく、無機質な感触のする固形の地面であった。
そして、辺りには滑り台やブランコといった遊具や、水飲み場、街灯などが存在していたのである。
それが意味する所は……。
「公園だね、ここ」
勇美がそう呟く通りの事であったのだった。紛れもなくここは子供の遊びや大人の休憩等の為に作られた公共の憩いの場、公園そのものであった。
「公園?」
依姫は聞きなれない言葉に首を傾げるのだった。それを勇美はおやっと思う。
「依姫さん。公園をご存知ないのですか?」
「ええ、月で
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