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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第69話 訪れる邂逅:前編
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るのですか? 今の貴方ならそう逃げ腰になる必要もないでしょう?」
 その言葉は依姫が今の勇美を認めてくれているという何よりの証拠であった。
 その気持ちは当然勇美にとって嬉しい。そして、そのように依姫に認められる程に成長してきたからこそ逃げ道というのは余り作りたくはないのだ。
 だが、今回ばかりは勝手が違った。その理由を勇美は述べる。
「だって、こんな得体の知れない空間に足を踏み入れるんですよ! 怖くない訳がないでしょう?」
 成る程、その勇美の主張する理論はもっともである。しかし、ここで依姫の方も引き下がらなかったのだ。
「弾幕ごっことはいえ、幻想郷の猛者達とも渡り合ってきた貴方ですよ。今更何を恐れるというのです」
「ぶっちゃけ、このゲテモノな様相の空間そのものにです!」
 勇美ははっきりとそう言った。今まではそのような得体の知れない空間に足を踏み入れるという事はしなかったのだ。せめて吸血鬼の館に入ったり、天界へと旅立ったり……?
「あ、結構トンデモな場所に行っていますね、私……」
「でしょう」
 そこまでの依姫とのやり取りを経て、とうとう勇美は折れる事にしたのだった。
「私の負けですね」
「潔くてよろしい♪」
 勇美の敗北宣言を聞いて、依姫はこれまたとびっきりの笑顔で答えるのであった。
 ともあれ、これで勇美の腹は決まったのである。もう、迷いはないというものだ。
「では、私と依姫さんとでスキマの中へ行きましょう」
「そう来ないとね」
 二人はそう言い合った後、依姫は改めてこの場にいる者達全員に向き直った。
「皆さん、そういう訳です。私と勇美の二人で境界の中へと乗り込みます」
 そう言われて、誰も反論する事はなかった。
 それは、皆がこの二人の実力を認めているからだ。依姫の類い稀な力は勿論立証済みであるし、勇美に関しても先程一対多の勝負に勝っているのだ。故に二人の実力を疑う方が無粋というものである。
「分かりました」
 まずロールとニースはそう言ったのだった。
「確かに依姫と勇美ちゃんなら任せられるわね」
 そして玉兎達に続いて豊姫も追従したのだ。
 豊姫は普段抜けてはいるが、ここぞという時は決める人である。そんな人から勇美はお墨付きをもらう程に成長しているという事である。
「豊姫さん、ありがとうございます」
 そう勇美がお礼を言うと、豊姫は物腰柔らかい態度でこう返すのだった。
「それじゃあ勇美ちゃん、頑張ってね。安心して、もしもの時は私達がついているからね♪」
 そのさりげなくも心強い豊姫の物言いに、勇美は胸の内に暖かいものが込み上げてくるような心地よさを覚えるのだった。
「はい!」
 そして、今日一番で心のこもった返事をしたのだ。自分には依姫と豊姫と玉兎達がついている。そう思うと、最早ため
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