第66話 歯車の策士:後編
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鬼にして言ったのだった。
しかし、突き放したままで終わらせないのが依姫である。最後に彼女はこう付け加えるのだった。
「ですが……、先程も言いましたが、腕を上げましたね。あの時と比べて見違えています。これからもその調子で腕を磨き続けなさい」
そう付け加えられて、玉兎達の表情は一旦しおれていた花が再び咲くが如く笑顔が咲き誇ったのだった。
「はい!」
そして玉兎達は元気の良い返事で締め括ったのだった。
その様子を依姫は微笑ましく見ながら、次なる目的に向けて打ち出す。
「ところで、少しレイセンを借りていっていいですか?」
「レイセンを?」
そう言われてロールとニースは首を傾げた。レイセンに何の用があるというのだろうか。
だが、基本的に純粋な心を持った玉兎達である。依姫はレイセンを悪いようにはしないだろうと、「わかりました」と二つ返事をするのだった。
「ありがとう。彼女に余り手間は掛けさせないから安心しなさい。
それと、貴方達も疲れたでしょう。この後自由時間にしていいですよ」
「ありがとうございます」
依姫から休憩時間を貰って嬉しそうにする二羽。やはり真面目に訓練するようになっても、いや、だからこそ羽根を休める憩いのひと時の有難みは分かるようであった。
「それではレイセン、私達と一緒に来なさい。あと勇美も一緒に来て欲しいのですけど、いいかしら?」
「私ですか?」
一体依姫は何の目的で言っているのだろうと勇美は思う。だが、勇美にとって依姫と長い時を過ごして彼女が悪いようにしない事が分かる勇美は「分かりました」と迷う事なく返事をするのだった。
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