第66話 歯車の策士:後編
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した。何て禍々しい物が造られたのだろうかと。
だが、それでも彼女達は落ち着いていた。やはりこちらには秘策があるのだ。それを破られない限りは安心であり、自分達は堅実に相手がどう出るか迎え打てばいいのだ。
そう二羽が思っている中で、とうとう勇美はその銃によるスペルの宣言をする。
「【土竜「モールバスター」】」
そう言って勇美は銃口を玉兎達へと向けたのだ。そしておもむろに引き金を引く。
いよいよ来るか。そう思いながら玉兎達は身構えた。相手がどう出ようともこちらは迎え打つだけだと意気込む。
そして、とうとう玉兎達へ向けて攻撃が放たれ……は、しなかったのだ。
「あれ……?」
玉兎達は首を傾げていた。てっきり攻撃がこちらに向かって来るものだと思っていたからだ。
代わりに勇美は何を思ったのか、銃口を地面目掛けて向けていたのだった。
そこから鮮やかな淡い茶色の光線が放出されていた。そしてその光線は地面を貫いていた。
どういうつもりだろう? 前衛の二羽の玉兎は思いつつ、ある事が頭をよぎり始めていた。
──『祗園様』……。確かそれは依姫様が侵略者を捕らえる時最初に……。
まずい、レイセン! そう二羽が叫ぼうとした時には既に遅かったのだった。
「きゃあああっ!!」
刹那、二羽の後方から、レイセンの叫び声が聞こえたのだ。
それを聞き、振り返る二羽。見ればレイセンの足元から無数のレーザーが放出されて彼女を貫いていた。
そして、レーザーが収まると同時にレイセンはその場で倒れてしまったのだ。
「あへぇぇぇ〜……」
気の抜けるような喘ぎ声をあげながら目を回すレイセン。漫画であったら目がグルグルの渦巻きになっていただろう、そんな状況である。
「「レイセーン!」」
血相を変えて取り乱す玉兎達。気付けば彼女達はオロオロとしていた。
そして、彼女達の統率は完全に崩れていた。先程連携スペルを見せた時のような結束っぷりは嘘のようである。
その状況を見ながら勇美は確信した。
(よしっ、私の読みは合っていたみたいだね♪)
そう心の中でガッツポーズを取る勇美であった。
ここまで来ればこちらのものである。後は仕上げをするだけだ。
「『指揮官』は倒したからね、後はあなた達を倒すだけだね♪」
そう得意気に勇美は言った後、彼女は『天津甕星』と『金山彦命』の力を借りる。
「地獄で会おうぜ【星蒔「クェーサースプラッシュ」】!」
勇美は手に持った星の機関銃から、盛大に星々の弾を残った玉兎達目掛けて乱射したのだった。
「「うぎゃああああ〜っ!!」」
そして、二羽の兎は成す術もなく弾丸の海に飲まれていったのだった。
◇ ◇ ◇
勇美と玉兎達の変則弾幕ごっこ。その結果は……。
「やった〜、勝った〜♪」
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