第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第62話 月に出ていくか:前編
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か、どれも断片的で要点を得ないものばかりなのであると。
「つまり、状況証拠ばかりだから、要点を掴めないという事ね」
「成る程、分かりました」
その理論は納得のいくものだったので勇美は頷く事にした。しかし、それでも腑に落ちない事があるのでそれを口にする事に決めたのだ。
「ですが、ちょっといいですか?」
「何かしら? 迷わずに言ってね」
勇美に言われて、永琳は何かと先を促した。
「この高い実力を持つ者が多い幻想郷です。その者達の総力を結集すれば紫さん程の存在を見つけ出すのは容易いのではないでしょうか?」
それが勇美の主張であった。そして彼女が確かな実感を持つ事実であったのだ。
勇美はこれまで幻想郷の実力者と渡り歩いて来たのだから。故に彼女達の影響力は計り知れず、力を合わせようものなら多大な原動力となる事が想像に難くなかったのである。
そして、相手は幻想郷の管理者である八雲紫だ。それだけの事をする価値は十分にあるであろう。
それだけの理論を突き付けて、心の中でどんなもんだと思って見せる勇美。だが、それを聞いた永琳は優しくも困ったような表情で勇美に言い出した。
「ごめんね、勇美ちゃんにはまだ言ってなかったわね……」
「?」
その言葉に勇美は頭を捻った。そして、「どういう事ですか?」と聞く前に依姫が助け舟を出してくれた。
「勇美、八雲紫のその情報はね……『月』でのものなのよ」
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