疾走編
第三十三話 帰途
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思います」
「そうですか。それまでよろしくお願いしますね、キンスキーさん」
「あ!エリカ・キンスキー兵曹です、こちらこそよろしくお願いします!」
「バーゼルです。ヨハンナとお呼びくださいましね」
「私の事もエリカとお呼びくださいね」
「はい、エリカさん」
にっこり笑うヨハンナさんは綺麗な人です。上品そうな方に見えるんだけど…グレーのパンツはいいんです、でもその胸元がざっくり開いたドレープのニットはどうかと思います。ヤマトさんだってチラチラ見てたし。あーあ、やっぱり男の人はおっぱい好きなのかなあ…。
って、そんなことはどうでもいい…よくはないけど…どうでもいいんです、今回のフェザーン行きで初めて任務らしい任務が私にも与えられたのです。
“夫人も監視だとは分かっているだろう、でもなるべくそう思われる事の無いよう接してくれるかい?”
監視なんてやったことない。でも普通に接するだけでいいのなら私にも充分やれる筈です…筈なんだけど…ハイネセン到着まで頑張らなきゃ!…頑張っちゃダメなのか、普通に、普通に…。
5月28日19:30 バーラト星系 ハイネセン ハイネセンポリス
自由惑星同盟軍統合作戦本部ビル 宇宙艦隊司令長官執務室 アレックス・キャゼルヌ
まったく、いつになったら首席副官は着任するのか。このままでは代理の文字が取れないまま俺が首席副官、という事になってしまいそうだぞ。司令長官も代理のままだから、それでもいいのかも知れんが…
“副官代理。後方勤務本部厚生課長よりTELが入っております。そちらにまわします”
「お待たせしました、副官代理のキャゼルヌです」
”セレブレッゼだ。元気かね?“
「お久しぶりです。元気にやっていますよ…課長になられたんですね、おめでとうございます。何かありましたか?」
”いや、ありがとう。慰安旅行のパターン収集の件なんだが、君は知っているかね?”
「ええ。それが何か」
”それが終了した、と君に連絡してくれと上に言われてね“
「わざわざありがとうございます。参事官だった時に少し関わりまして、無事に終わったか気になっていたんですよ」
“成程な。それはそうと、たまにはうちにも顔を出したまえ。君を引き抜きたがっている所は多い、顔つなぎも重要だぞ”
「ハハ、そのうち寄らせていただきますよ、先輩」
”そうか、期待しないで待っておくよ。では“
「閣下、フェザーンの件ですが、無事終わったそうです。工作員と対象者の一行は本日、フェザーンを離れたとの事です」
「そうか。こちらに着いたら労を労わねばならんな」
シドニー・シトレ大将。現在はまだ宇宙艦隊司令長官代理だが、代理の文字が取れるのは既定事項とされている。士官学校の頃から、この人とは縁が深い。
野心家、というほど
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