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レーヴァティン
第百七十三話 北陸攻めの前にその十

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「戦わずして勝つだ」
「百戦百勝はしないな」
「戦わずして百勝だ」
「それがお前の理想だったな」
「だからだ」
「北陸の国人達にもな」
「声をかけていく」
 その様にするというのだ。
「これからな」
「ではな」
「使者を送っていく」
 北陸の国々の国人達にというのだ。
「小領主だけでなくな」
「大名にもだな」
「寺社にもだ」
 力を持つ者達ならというのだ。
「誰でもだ」
「使者を送ってだな」
「そしてな」
「降ればよしだな」
「それならな、そしてな」
「降らない者達をか」
「春に攻める」
 雪解けと共にというのだ。
「いいな」
「ではでござるな」
「はじめるとしよう」
「戦の準備と」
「あらゆる勢力の取り込みをな」
 智にも応えた。
「これよりな」
「降ればそのままでござるな」
「幕府の下で生きられる」
 これまで通りというのだ。
「それならな、だがな」
「降らないのなら」
「戦だ」
 そちらになるというのだ。
「どちらかということだ」
「どちらにしても降らせる」
「その様にする」
「では」
「秋と冬の間にな」
「北陸の諸勢力に選ばせるでござるな」
「その様にする」
 英雄はここで茶を飲んだ、そうして言った。
「果たしてどれだけの者達が降るか」
「それもでござるな」
「見せてもらう」
 こう言ってだった、英雄は大坂に戻るとすぐにだった。
 北陸の国人や寺社そしてだった。
 大名達に使者を送った、するとだった。
「かなりの数が降ったな」
「はい、小勢力ばかりでござるが」
 智が応えた。
「それでもでござるな」
「加賀や越中の国人は大抵ついた」
「寺社も」
「そして大名もな」 
 ここで言う大名は一万石や二万石位の小大名だ、大名といっても色々で何十万石の家もあればそうした家もあるのだ。
「そうだな、そしてな」
「特にでござるな」
「佐渡だ」
 この島だというのだ。
「この島がだ」
「降ったでござるな」
「その全てがな、これは大きい」 
 実にというのだ。
「そうなったからな」
「だからでござるな」
「佐渡攻めはいい」
 もうそれはしなくて済んでいるというのだ。
「そちらはな」
「では」
「水軍は能登に集中させる」
「そこから上陸するか」
「そうだ」
 今度は幸正に答えた。
「佐渡が手に入ったならな」
「もういいか」
「それでだ」
「能登の方に軍勢を乗せてか」
「そしてだ」
「そこから上陸してだな」
「能登を攻める」
「そうするか」
「加賀を攻める軍勢と呼応してな」
 そのうえでというのだ。
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